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フィリーへの気持ちを表現したアルバム

現在のフィリー・サウンドは、キーボードもしくは70~80年代のソウル~ジャズ・ネタによるジャジー・メロウな音色が特徴のひとつとして挙げられるが、今回のアルバムではロイ・エアーズの“We Live In Brooklyn, Baby”をフィリー版にリメイク。これぞジャジー・ジェフ!

「ロイ・エアーズのあの曲は大好きで、それを“We Live In Philly”にしてリメイクしたかったんだ。それでジル・スコットにフィリーでの生活についての詩を朗読してもらったんだ。彼女の言葉を聴けばフィリーを旅したような気持ちになれるよ。もちろんアルバム全体でもフィリーに対する俺の気持ちを表現してるよ。フィリーでの体験は何物にも代え難いものだからね」。

フィリーには目に見えない〈特別な何か〉がある、ということなのだろう。

「フィリーが脚光を浴びているのは単にタイミングの問題さ。世界中のどの都市にも才能を持ったアーティストはいる。ただ、俺らはフィリーで10年間ジャム・セッションを重ねながら自分たちの音楽的アイデンティティーを形成してきた。だからフィリーから出たアーティストが最初にヒットを飛ばした時に他のミュージシャンも出ていく準備が整っていたんだ。俺はみんなに言うんだ、〈チャンスが訪れた時のために準備しておけよ〉ってね。……ちょうどいま『Soundtrack To The City』というアルバムを制作している。ロンドンからヨハネスブルグ、フィラデルフィアなど世界中の大都市に焦点を当てた作品で、社会問題をテーマにしたソウルフルでコンシャスなアルバムになる。もちろんメンバーの作品も作るよ」。

ところで、ジャケットではNBAの地元チームである76ersのユニフォームを着て得意げな表情のジェフ氏。

「この街に住んでるならホームタウンを応援しないとダメだよ(笑)。76ers、(NFLの)イーグルズ、それに(MLBの)フィリーズの試合は必ず応援してるよ!」。

フィリーの音楽は、この男の腕にかかっている。

カテゴリ : フィーチャー

掲載: 2002年10月17日 18:00

更新: 2003年03月20日 15:10

ソース: 『bounce』 235号(2002/8/25)

文/林 剛

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