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カテゴリ : フィーチャー

掲載: 2002年07月17日 20:00

更新: 2003年03月20日 15:06

ソース: 『bounce』 233号(2002/6/25)

文/松永良平

デトロイトを出発点に世界へ飛び出したロックンロール姉弟。紅白のめでたい衣装に身を包み、ワイルドなビートに乗って日本に上陸!!


昨年の秋、NYのロックンローラー、マーシャル・クレンショウの来日公演を手伝ったときに、マーシャルから「ホワイト・ストライプスを知ってるか?」と訊かれた。十代後半までデトロイトで育ち、MC5をリアルタイムで体験したことをいまだに誇りにしている彼は、そこから登場したニューカマーであるこの奇妙な姉弟のことがとても気になっていたようだ。

ホワイト・ストライプスはアメリカ発ロックンロール復活の牽引車として、ストロークスと共に英米のメディア/オーディエンスの双方から絶賛されている。そのスタイルは、姉のドラムと弟のギター/ヴォーカルのみ。たったそれだけで、硬質なグルーヴと一種独特の空間を生み出す。あえて装飾的な要素を挙げれば、エモーショナルで良質なメロディーと、白と赤にこだわったファッション・センス。かつてのグランジほどの大げさな焦燥感もなく、いわゆるエモコアのようなわかりやすさもさほどない。むしろ、聴き手を混乱させるほどさまざまな要素も感じられるのだが、ベック以降のような情報の塊にはなっていない。あえて言えば、これぞ、すっぴんのロックンロールである。2人の個性だけが純粋に音楽に直結して、有無を言わせないかたちで結実しているのである。そして今回、サード・アルバム『White Blood Cells』の日本盤がリリースされ、夏には〈フジロック〉への出演も決定と、この2人の直球はいまや時代のど真ん中へ投げ込まれようとしている。

「表現の方法がパンクっぽいとか、音がデカいって感じるにせよ、僕らのやってることはフォーク・ミュージックなんだ。自分にとって、音楽はストーリーテラーがリズムに乗せて言いたいことを歌ってるというもの。だから、リズムもメロディーも無駄がないし、ギターとドラムで、どちらかの楽器だけが目立つようなパートもどこにもない。歌詞も無意味な言葉を並べるのではなく、できるだけリスナーが理解できるようなものを選んでいるしね」。

インタヴューに答えて、弟のジャック・ホワイトは自分たちの音楽をそう定義してくれた。では、そうした裸の表現のために必要なパートナーである姉メグとのコンビネーションはどのようにして生まれたのだろうか?

「あるとき、部屋で僕がたまたまギターを弾いていて、そこにドラムがあったんで彼女が参加したのがきっかけなんだ。彼女はそのとき楽器を演奏することさえ初めてだったんだよ。大笑いしながらふざけてたけど、そのときレコーディングしたものをプレイバックしてたら、結構良い感じだったんだ。それで、ちゃんとした形でバンドを結成することになって、今度は逆に僕のほうがインスピレーションを与えてもらうようになった。メグは叩き方も幼稚だけどすごく新鮮なんだよね。シンプルで、これ以上何も必要ないって時には本当に何も足さない。そんなプレイに触発されて、逆に僕がそういうイメージを描きながら曲作りをするようになったんだ。とにかく、すべてが自然に展開していった感じで、最初からずっと2人でその相性の良さに没頭してきたから、他の人間を探そうなんて全く考えなかったな」。

インタビュー