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特集

デヴィッド・ボウイを知るための12枚

カテゴリ : ピープルツリー

掲載: 2002年07月11日 18:00

更新: 2003年03月13日 18:53

ソース: 『bounce』 233号(2002/6/25)

文/出嶌 考次、村尾 泰郎



Space Oddity
Phillips(1969)
ボウイ、22歳。タイトル曲が当時BBCにおけるアポロ月面着陸報道のテーマ曲に採用され、初のヒット曲になる。まだ〈宇宙人〉というより〈宇宙飛行士〉的な飛び具合だが、サイケデリックという煌びやかなドレスがとてもお似合い。ウブ毛の生えたスターの横顔。(村尾)


Hunky Dolly
RCA(1971)
ピンと張りつめた緊張感と、それを柔らかい指でなぞっていくようなメロディー。アメリカへのオマージュや、精神を病んだ兄への想いなどが、鋭く穏やかにつづり織られていく。この頃すでにジギーへのメイクアップを始めていたボウイが、一息に著した美しき手記。(村尾)


The Rise And Fall Of Ziggy Stardust And The Spiders From Mars
RCA(1972)
ボウイの代表作、というよりも〈ジギー・スターダスト〉が残した唯一のアルバム。ロックンロールというビジネスを、ボウイは〈ジギー〉というフェイク・ファーでけばけばしく飾り、子供たちの救世主を生み、そして抹殺した。ロック史上に残る最高にヒップな暗殺劇。(村尾)


Young Americans
RCA(1975)
ルーサー・ヴァンドロスに説教したりしながらシグマ・サウンドをモノにせんとしたが、例のごとく憧憬と羨望が異種変体を起こし、ちょっとありえないソウルが完成。ジョン・レノンとのセッションによる“Fame”がいちばんファンキー、というオチもボウイらしい。(出嶌)


Station To Station
RCA(1976)
帰欧するためのファンク特急。“Word On A Wing”などに満ちた情緒も美しいが、ニーチェを引用して終点をほのめかす10分超の表題曲が強力。煙を吐き出す2本のギターの間からボウイが疾走する……その寸前のブレイクは何度聴いても武者震いが走る魔法の瞬間。(出嶌)


Low
RCA(1977)
アメリカから隠遁するようにヨーロッパへと帰還したボウイ。そこでブライアン・イーノと共に開設した音の実験室。言葉は切り詰められ、インスト・ナンバーが半分を占めることに。前衛とポップのこの見事な抱擁は、来るべき〈モダン〉を静かに告げた。(村尾)


Heroes
RCA(1977)
ロバート・フリップも加わり、さらにヨーロッパ精神の奥深くへと突き進むことで自己浄化を追求したベルリンでの2作目。ハード・エッジなロック・ナンバーと、アブストラクトなエレクトロニクスとの組み合わせは大胆にして贅沢、にしてかなり凶暴。(村尾)


Lodger
RCA(1979)
“Fantastic Voyage”の澄みきった美しさに導かれる、ベルリン3部作の終章。前2作で提示したエレクトロニクスの冒険に若者が追従する頃、“African Night Flight”や“Red Sails”で未開のリズムに妄想を走らせたボウイは冴えてる。ボウイ・キープ・スウィンギン!!(出嶌)


Scary Monsters
RCA(1980)
70年代を封印して80年代に飛び込むかのような勢いに満ちた本作。“Ashes To Ashes”で過去にケリをつけ、“Fashion”でハイプに唾を吐く。日本のお茶の間に艶やかなボウイが登場したのもこの頃。ボウイがボウイであることを楽しみ始めた耽美な序曲。クリスタル ! (村尾)


Let's Dance
EMI(1983)
タイトなバッキングに全身をスウェイさせながら、月光の下でニコニコと踊るボウイ。直球勝負の初回KO曲“Modern Love”から、イギー・ポップへの提供曲をセルフ・カヴァーした“China Girl”、アグレッシヴに静動を操る“Cat People”と本気でポップ。(出嶌)


Black Tie White Noise
Arista(1993)
この後も〈復活!〉とか言われてますが、どう考えても、ここでもう復活してるよ!やたらアダルトでスタイリッシュな雰囲気を帯び、ボウイが自分のことを都会暮らしのカッコイイ中年だと認めた素晴らしい記念碑。だから、ビートは古いけど、それがどうした!(出嶌)


Earthling
Arista(1997)
ジャングルを全編で導入……とはオヤジの弁。そうでもない。ディープな部分まるでなしのプラスティック・ドラムンベース“Little Wonder”やデジロック調の“Dead Man Walkin”など、稲妻のような瞬発力が炸裂し、ギラギラした色気&妖気が漲る快作!若い!(出嶌)

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