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特集

DAVID BOWIE(4)

カテゴリ : ピープルツリー

掲載: 2002年07月11日 18:00

更新: 2003年03月13日 18:53

ソース: 『bounce』 233号(2002/6/25)

文/山口 珠美

新しい街、新しいキャリア

77年、まだ壁によって断絶されていたベルリンは、アメリカの華やかなショウビズ世界とはかけ離れた、静寂が支配するボウイにとっての癒しの地だった。ジャーマン・ロックや電子音楽に興味を持っていたボウイは、リハビリテーションの相手にブライアン・イーノを指名する。そしてベルリン3部作『Low』『Heroes』『Lodger』が生まれることに。実際、彼は『Low』について〈セラピー・アルバム〉とも言っていた。ポップな要素をアヴァンギャルド・ミュージックに放り込んだ実験的な内容はたちまち話題となり、ニューウェイヴの先駆けと謳われる。イーノとの出会いで息を吹き返したボウイは、『Heroes』『Lodger』でもテンションの高さを見せつけた。

 そんな70年代が終わりに近づくにつれ、ボウイのなかにも少しずつ変化が生まれていく。80年、ロンドンとNYに活動の拠点を戻したボウイは“Ashes To Ashes”をリリース、ふたたび全英チャート1位に返り咲いた。そのプロモ・クリップでは道化師に扮し、(“Space Oddity”に登場する)トム少佐が実はジャンキーだった、と告白する一節には、どこか過去を清算したがっているような印象を受ける。続くアルバム『Scary Monsters』では耽美的なイメージに回帰。力が入りすぎとも思えるボウイ節が炸裂し、サウンド面も過去を集大成したバラエティー豊かなものとなった。74年以降、彼の変化に戸惑っていた元祖ボウイ・ファンたちの喜びは3年後、ふたたび違った形で裏切られることとなる。RCAとの契約が切れたボウイは、次の波に乗るべく充電期間へ突入していった。  

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