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特集

DAVID BOWIE(3)

カテゴリ : ピープルツリー

掲載: 2002年07月11日 18:00

更新: 2003年03月13日 18:53

ソース: 『bounce』 233号(2002/6/25)

文/山口 珠美

名声──それは人を堕落させる

74年後半になるとボウイは、カーロス・アロマーの影響もあってフィリー・ソウル、R&B、ファンクなどのブラック・ミュージックに傾倒していく。時代はファンク全盛、その大きな波をボウイが見逃すわけがない。かといってリアル・ファンクに対抗できるわけもない……そこで、75年のボウイ版ファンク・アルバム『Young Americans』にあたって考え出されたのが、〈プラスティック・ソウル〉という言葉。フェイクはフェイクなりにカッコ良く見せたい、といった一種の開き直りだ。その潔さが評価されたのかわからないが、“Fame”は全米チャートで1位を獲得、ラジオやMTVでもへヴィー・ローテーションされる。さらには、白人として初めて「Soul Train」に出演し、アメリカはボウイの噂で持ちきりとなった。同じ頃、英国では埋もれていた69年の『David Bowie』が『Space Oddity』としてリイシューされていた。本国では過去の遺産が皮肉にも3週間に渡って1位を記録していたのだ。76年になると、プラスティック・ソウルの男はネルシャツを脱ぎ捨て、なで付けた髪に細身のスーツを着こなした〈シン・ホワイト・デューク〉に生まれ変わった。シングル“Golden Years”を経由して、フォーク、ファンク、ロック・オペラ的要素を凝縮した『Station To Station』はボウイ・サウンドの底力を見せつける作品となっている。しかし、成功の裏にはドラッグに溺れる彼の姿があった。精神的にも体力的にも限界点に達していたボウイは心の安らぎを求めて旅に出る。

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