オキナワ音楽ディスク・ガイド(2)
ネーネーズ 『IKAWU』
DISC AKABANA(1991)
そのピュアな歌声で多くの人々を魅了した、ネーネーズ(古謝美佐子、宮里康子、宮里奈美子、比屋根幸乃)のデビュー・アルバム。知名定男がプロデュースを手掛け、佐原一哉、松田末吉、徳原清文、石田雄一、後藤勇三など、オキナワや本土のミュージシャンが多数参加。いま聴き返しても今作をはじめて聴いたときの感動は変わらない。
bkoz 『南の島』
Imperial(2002)
南の島で出会った2人がR&Bを通じてユニットを結成。オキナワ限定でリリースされ、即完売となったシングル“南の島”が遂にメジャー・リリース。ストリート・ライヴで鍛えられた彼らのハーモニーは、誰もが足を止めて聴き惚れるほど、なめらかで情熱的。心のなかから〈ホット〉になれる、リゾート・タッチのR&Bサウンドだ。
BLEACH 『裸の女王』
東芝EMI(2001)
結成以来、バンド名のごとくすべてを漂白してしまうかのような爆音を響かせてきたBLEACH。一聴しただけではオキナワ出身バンドとは気付かれないだろうが、今作のなかでも数曲でオキナワをチラッと匂わすところは心憎い。昨年には再びアメリカでのライヴも経験し、内地へ、または世界へ向けて音の機関銃を撃ち続けている。
りんけんバンド 『ありがとう』
ソニー(1987)
87年にオキナワで制作され、90年のワールド・ミュージック・ブームの波とともに本土へと流れ着いたりんけんバンドの代表作。リーダーの照屋林賢、美しい容貌と歌声の上原知子、エイサー隊の装束のヴォーカル陣(演劇集団・笑築過激団の玉城満、藤木勇人など)の演奏にシンセが絡んだユニークなサウンドで、一躍脚光を浴びた。
大島保克 『島時間 ~Island Time~』
ビクター(2002)
石垣島出身の唄者、大島保克。ショーロ・クラブの笹子重治などが参加し、笹子の奏でるアコースティック・ギターの柔らかな肌触りが最高に心地良い最新作。5作目にして、力強くて伸びやかな大島の唄と三線の魅力が最大限に発揮された傑作。八重山の島唄への入り口としても最適な、美しくも切ない唄の数々。もう涙腺が刺激されまくり。
モンゴル800 『MESSAGE』
TISSUE FREAK/ハイウェーブ(2001)
インディー史上初の100万枚を越えるセールスを上げた今作は、いまやワイドショウでも取り上げられるほどで、まさにオキナワから本土を巻き込んだムーヴメントを生んでいる。だが当の本人たちはいたってマイペースな活動を続け、共感を生む歌詞やサウンドとあいまって、多くのファンを魅了。謙虚な(笑)演奏も聴き手を身近にしている。
山里勇吉 『道うた 遊びうた』
DISC AKABANA(1997)
映画「ナビィの恋」で〈アブジャーマー男〉に扮し、腹の底から響きわたるような重厚で温かな歌声を聴かせてくれた八重山島唄の巨星、山里勇吉。今作は、彼が72歳のときにみずからの青春時代の思い出を偲んで制作されたアルバム。朗々と歌い上げる“道トゥバラーマ”“月ぬ美しゃ”や八重山の宴会ソング“遊びうたメドレー”など全18曲。
古謝美佐子 『天架ける橋』
DISC MILK(2000)
坂本龍一のプロジェクトに多数参加、さらに世界中のさまざまなミュージシャンからもラヴコールを送られている元ネーネーズのリーダー、古謝美佐子。今作は、9歳からの芸歴を総括したかのような、壮大なるソロ作。アコースティックなサウンドをバックに、この〈島唄の女帝〉の力強い歌声は、ゆったりと天に橋を架ける。
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