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特集

カテゴリ : フィーチャー

掲載: 2002年06月12日 16:00

更新: 2003年03月13日 18:59

ソース: 『bounce』 232号(2002/5/25)

文/青木正之、池谷修一、高橋玲子、若杉 実

VALVE
ヘヴィー&ハーコーな御馳走

 ディリンジャ&レモンDが主宰。97年にリリースされたディリンジャ“Violent Killa”とレモンD“12.01”を収めた両A面シングルは、シーンに強烈なインパクトをもって迎えられた。自前のサウンドシステムでチェックした後リリースされるという作品群は、スピーカーを壊さんばかりのヘヴィーなベースとハードコア・テイストが魅力。(青木)

ディリンジャ『Dillinja Present Cybotron』(Valve/FFRR)



HOSPITAL
クロスオーヴァー推進型ドラムンベース病院。服用後の副作用にご注意を!!

 ウェスト・ロンドンの一角にオフィスを構えるホスピタルは、いまもっともノッているインディー・レーベルのひとつだろう。猛烈に再燃しているドラムンベース人気の影響もあり、ここのところ立て続けにヒットを放っている。レーベルを主宰する、ロンドン・エレクトリシティのトニー・コールマンに訊いた。

「ハイ・コントラストがミックスしたCDと『Plastic Surgery 3』が評判良くてね。ハイ・コントラストのフル・アルバムもリリースされるよ。あと最近、ホスピタルでは初めてブリストルのプロデューサー、ダッガを迎えたんだ。7月にはシングルを出すよ」。

 ダッガとはフル・サイクルからもリリースがあったJ・ラックのこと。さらには、メタルヘッズでも動きだしたクルートも、ホスピタル入りするという。〈Plastic Surgery〉シリーズへのキャリバーやジョンB、トータル・サイエンスの参加、そして、クロスオーヴァー面でのランドスライドの動きと併せても、音楽性のバランスの良さという点でこのレーベルは格別の存在だ。そして年内にはロンドン・エレクトリシティのセカンド・アルバムもいよいよ登場するとのこと。さらにトニーの息子たちも新しい人材として名を連ねる。

「クォーツとトマホーク。2人はホスピタルのニュー・ブリードだよ」。

 トマホークは学校のプログラムでホスピタルにオフィス・ワークに来て、そして地下のスタジオでトラックを作り、すでにCDにも収録、クォーツも同じような経緯。彼らはすでにレーベルの名物パーティー〈Hospitality〉にも出演中だ。

「〈Hospitality〉ではライヴもあるんだ。ジャングル・ドラマーをぜひ体験してほしいな」。

 トニーがスタジオで聴かせてくれたのは、オール生のドラムンベースを演奏するドラマー、ジャングル・ドラマーの新曲。これは、レプラゼントのデビュー作以来の、本物の、生のドライヴ感だった。        (池谷)

左から、ミックスCD『Plastic Surgery 2』『Plastic Surgery 3』(共にHospital)



BINGO BEATS
まさにビンゴなブレイクの嵐!!

 “138 Trek”のブレイクを機に新境地に乗り出したジンクが主宰する、ニュー・スクール・ブレイクス系レーベル。第1弾は自身が扮するジャミンによる“Hold On”(2000年)。以降、“Kinda Funky”“GO DJ”など、ダンスフロアをダーク・カラーに染め上げるキラー・アイテムを連発。現時点での最新リリースはハイ・グレードの“The Jug”。2001年にノンストップ仕様によるレーベル・ショウケース・コンピ『Bingo Beats』をリリース。(若杉)

唯一のCD作品『Bingo Beats』(Bingo)



RELENTLESS
UKガラージをメジャー・シーンに押し上げた立役者

 90年代中期からUKのハード・ハウス・シーンを牽引してきたレーベル。同系のパブリック・デマンド、4リバティーらと同様、当初はUSからのライセンス作品も少なくなかった。96年以降、ハード・ハウスから枝分かれしたスピード・ガラージの隆盛によって現在のようなUKガラージ路線に。その分岐点として記憶されるのが、やはりアートフル・ドジャーの“Re-Rewind”。ここ1年はソー・ソリッド・クルーが屋台骨に。オリジナル音源はほとんどなく、個人レーベルからライセンスして、新たなヴァージョンを付け添えリリースすることが多い。近年のスマッシュ・ヒットは、K2ファミリー“Bouncing Flow”や、ネーシャ“What's It Gonna Be?”など。(若杉)

左から、ソー・ソリッド・クルー“They Don't Know”(So Solid/Relentless)



LOCKED ON
ストリーツのヒットで人気再燃!!

 ホロウェイのレコード・ショップ〈Pure Groove〉がガラージ専門レーベルとして97年に設立したロックト・オン。徐々に2ステップへと発展していく前段階のスピード・ガラージ・トラックを数多くリリースしてジワジワ支持を集めていく。その名が完全に認知されたのは、やはり99年のクラシック=アートフル・ドジャーfeat.ロミーナ・ジョンソン“Movin' Too Fast”によってだろう。同曲のヒットによって、ロックト・オンはアンダーグラウンド・ガラージの登竜門的な地位までも確立した。その後も、ゼッド・バイアスやエド・ケイスらのミックスCD、フューチャリスティックスらのシングルなどでシーンをリード。タフ・ジャム、ドゥーラリーらの初期音源をまとめたレーベル・コンピも出ているほか、最近はストリーツをブレイクに導いたばかり。(高橋)



RED ROSE
ダンスフロアに100万本の赤い薔薇!

 レーベル第1弾シングルであるDJラック&MCニート“A Little Bit Of Luck”のヒットで浮上したUKガラージの重要ブランド。エド・ケイスのシングルなどもリリースしていたが、その後はDJラック&MCニートのアンダーグラウンドな足場として機能している部分が大きい。周辺のメンツを束ねて結成された(?)コラプテッド・クルーの“G.A.R.A.G.E.”のヒットで再注目されたことを契機に、イキのいい連中が飛び出してくるはずだ。(高橋)

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