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特集

昔っからフュージョンしてた、ブリストルのもくもくした人たち

カテゴリ : フィーチャー

掲載: 2002年06月12日 16:00

更新: 2003年03月13日 18:59

ソース: 『bounce』 232号(2002/5/25)

文/狛犬

 〈トリップホップ〉なるタームの中核にあったメソッドは、スモーキーでダビーな黙示録系ブレイクビーツだったわけだが、それは一時、ブリストル系と称されるものとほぼイコールだった。マッシヴ・アタックやポーティスヘッドら、足し算によってレフトフィールドを切り拓いていった者もいれば、ロニ・サイズ以下フル・サイクルの面々のように、激しく煙を焚き続けた者もいる。

そして現在。USに移住したトリッキーは環境の変化とともにみずからの世界を再構築し、マッシヴ・アタックもよりダークな趣味性を突き詰めてきている。その流れをモロに受け継ぐアルファや、もう少し全国区的な耳触りを持つコシーンなど、ベクトルもそれぞれだ。スミス&マイティとモア・ロッカーズの歩みも同じこと。彼らはさまざまな要素を独自のフィルターを通して融合させてきた。新作『Life Is...』ではブリストル的とされる衣を纏いながらも、まったくオリジナルな独自の〈型〉を生み出した気さえする。つまり、そのフォルムは姿を変えようとも、ブリストルのモクモクしたスピリットは永久に煙り続けるということ。それは晴れ間を遮る彼の地の霧のようだ(って行ったことありませんけどね~)。

左上から、スミス&マイティの1作目『Bass Is Material』、2作目『Big World Small World』(共にMore Rockers/!K7)、モア・ロッカーズのシングル集『Select Cuts From More Rockers』(More Rockers)、アルファ『The Impossible Thrill』(Melankolic/Virgin、コシーン『Resist』(Moksha/Arista UK)

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