ESSENTIAL DISCS(2)
DIVINE STYLER
『Word Power 2』 Mo'Wax(1999)
ライム・シンジケートにも名を連ねたミドル・スクーラーが、幕引きへと向かう90年代のアンダーグラウンド・ルネッサンスを背景に蘇生。レトロ・フューチャー的音楽世界をバックに、宗教観というか宗教そのものを説き伏せるようにとくとくと語る彼。思い出したようにまた蘇生するか?(一ノ木)
UGLY DUCKLING
『Fresh Mode』 Bad Magic(1999)
ネイティヴ・タンの影響も美しい彼らの初アルバム。いつもの時間にいつもの場所で──そんなふうに囁かれていつもの場所に向かう。ドアを開けると、知った顔のあいつらが気ままに、人の目を気にするでもなく、自分たちのサイズで音楽を鳴らしている……なんて思いつつふかすタバコの美味いこと。(一ノ木)
DILATED PEOPLES
『The Platform』 Capitol(2000)
インディーからリリースされたシングル“Work The Angles”の大ヒットにより、見事メジャーからデビューを果たした彼らのファースト・アルバム。メジャーからという気負いも感じさせず、自分たちのポリシーに従ってビートとラップだけでのガチンコ勝負。DJバブーの硬派な仕事も無視できない好盤。(高橋)
WRITER'S BLOCK
『En Route』 Up Above(2001)
西海岸インディーの星、ヴィジョナリーズのゼンとダヌーによるユニット。DJレットマティックらビート職人の選定は本隊と地続きだが、一枚を通して飽きさせないバラエティーは本作の個性といってもいい。そこはかとなくメインストリーム・サウンドとの共振も窺えるスタンダード性にハマれる。(出嶌)
PEANUT BUTTER WOLF
『My Vinyl Weighs A Ton』 Stones Throw(1999)
西海岸地下シーンを長きに渡って支えてきた男が、満を持して放った初のリーダー・アルバム。職人気質なビートメイカーとしてのスキルにターンテーブル・ワーク、そして培ってきた人脈をフルに活かしたサポート陣が脇を固め、付け入るスキはナシ。本作には未収だが、故カリズマとの初期競作もチェックすべき。(Masso)
RADIOINACTIVE
『Pyramidi』 メリージョイ(2001)
学究的、求道的になにかを突き詰める行為はそれ自体讃えられるべきことだろうとは思うけど、無責任にいろんな世界を覗き見してる観光気分が身体にしっくりくることもあるわけで。音楽ってそんなもんでしょ、って言うのもヤボなくらいの遊びが、気持ち良いことこのうえないアルバムのひとつがこれです。(一ノ木)
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