こんにちは、ゲスト

ショッピングカート

特集

カテゴリ : フィーチャー

掲載: 2002年05月23日 21:00

更新: 2003年03月13日 19:00

ソース: 『bounce』 231号(2002/4/25)

文/Jun-T

ドイツのヒップホップは日本同様、ゆっくりとではあるが、確実に浸透し始めている。90年代のUS産ヒップホップをオン・タイムで聴いて育った世代が、自分たちでレーベルやアーティストとしてのアクションを起こしたり、FMや雑誌などのメディアに関わったり、という状況が、その大きな原動力となっている。ドイツのヒップホップ・アクトといえば、世界的成功を収めたウォーキン・ラージ(現在は解散)やUS産良質ヒップホップを精力的に紹介しているレーベル、グルーヴアタックが知られている程度であろうが、人口のほとんどがドイツ語を話す国内においては、母国語で活動するアーティストの台頭が目覚ましい、というのが現状だ。メジャー・レーベルからリリースするアーティストも急増し、昨年10月にハンブルグを訪れた際にチェックしたMTVでは、プロモ・クリップがパワープレイ。シーンの盛り上がりを感じた。リリシストとして高い評価を受けるカースや、ほのぼのとしたサウンドと、アクの強いラップで日本でもカルト的な人気を誇るキンダーツィマー・プロダクションズ、ハンブルグのショウダウンに所属する個性派ダイヒキンなどが、その代表的なところだろう。ショウダウンのスタッフに連れられて行ったレコ屋では、US産と並び、国内アーティストのレコード棚がしっかり用意されていた。いくつかオススメを選んでもらい、チェックしてみたが、サンプリング主体の音楽的なウワモノを使ったトラックやドイツ語のタイトな語感とガッチリはまるドープなビートもの、エレクトロ調のものなど、クォリティーの高い作品に驚かされ、普段聴き慣れないドイツ語ラップのエキゾチックな響きがとても新鮮に感じた。

一方、同じ国内でも、スクエア・ワンやKC アド・ルーキーなど、英語でラップする連中もいて、その多くはドイツに暮らす移民だ。スクエア・ワンに至っては、3か国語を使い分けてグループ内のコミュニケーションをとっているというから驚きだ。彼らはヨーロッパ諸国にコネクションを作り、より広いマーケットを視野に入れた活動をしており、その動向も気になるところ。あとは、日本でも人気のブレイカー御用達レーベルであるエムジーの拠点も、B・ボーイ・バトルの頂点を決める〈Battle Of The Year〉もドイツが開催地だ。美しい街並みを見渡してみると、ショウダウンのストリート・プロモーションの成果というべきステッカーの痕跡や、グラフィティやタグもあった。雑誌媒体もこうしたB・ボーイ文化をしっかりとサポートし、イヴェントの主催などもおこなっているようだ。まだまだ成長過程にあるシーンではあるが、ワクワクさせる何かを秘めており、さらなる飛躍を期待したい。

インタビュー