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特集

フィールド録音作品が伝えてくれる、もうひとつのアフリカ音楽の魅力

カテゴリ : フィーチャー

掲載: 2002年05月16日 12:00

更新: 2003年03月12日 18:17

ソース: 『bounce』 231号(2002/4/25)

文/金子 穂積

現在だとMP3やらMDLPだの、音を記録する方法が多様化しているが、こういった方法が確立したのは約100年前のこと。その当初から宣教師、文化人類学者はアフリカの音に魅了され、蝋管やテープなどに当時の音を吹き込んだ。これらの大半は、商業的な音楽というよりも、太古から綿々と受け継がれてきた伝統的な音であり、それらを収録したものが〈フィールド録音もの〉などと称されている。

で、その最たるものとされているのが民族音楽学者ヒュー・トレイシー(1903~1977)の〈Sound Of Africa〉シリーズだ。トレイシーは英国生まれ。17歳の時に現在のジンバブウェに移り住み、そこで先住民であるカランガ人の音楽に触れ、アフリカの音楽に惹かれていった。そして48~63年にコンゴ、ウガンダ、ケニア、ジンバブウェ、南アフリカなどなど、アフリカ大陸を渡り歩き、その土地の音をテープに録音。これらをもとに、学術研究用としてリリースしたのが、210枚ものLPからなる〈Sound Of Africa〉シリーズなのである。最近までこのシリーズは入手困難な状態に陥っていたが、数年前からオランダのSWPがリマスタリングを施して、ハイクォリティーなサウンドでのリイシューを実現。日本語解説が付いた日本盤もあり、フィールド録音ものを聴くならば、まずはこのシリーズを手にするのがよいだろう。トーキング・ドラム、フィドル、親指ピアノで知られるカリンバ(これを広めたのも実はトレイシー)、そしてピグミーのコーラスなど、多彩で多様なアフリカ音楽の素晴らしさにぜひ触れてほしい。なお他にも、フランスの〈プロフェット・シリーズ〉など、秀逸なフィールド録音ものが現在、多数リリースされている。

ヒュー・トレイシーが残した貴重な記録の一部を紹介。(共にSWP/ビーンズ)


『Tswana And Sotho Voices- Botswana,South Africa,Lesotho 1951 '57 '59』

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