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カテゴリ : フィーチャー

掲載: 2002年05月16日 12:00

更新: 2003年03月12日 18:17

ソース: 『bounce』 231号(2002/4/25)

文/酒井 透

アコースティック・サウンド

最近のアフリカ音楽シーンの特徴的なスタイルのひとつとして、アコースティック・サウンドが挙げられる。80年代後半にアフリカ音楽が話題を集めたときには、サリフ・ケイタやユッスー・ンドゥールなどのエレクトリックなサウンドが主流だったが、ここにきてアコースティックな質感を活かしたサウンドが台頭し、大きな注目を集めている。ここでいうアコースティック・サウンドとは、ただ単に生ギターを弾き語りしている、といったタイプのものではなく、ンゴニなどの民俗楽器やアコースティック・ギターを中心にしながらも、ビートやグルーヴにはシッカリと現代的な感覚が備わっているサウンドを指す。だから、原点回帰とか懐古的というのとはあきらかに違うものだ。マリのアビブ・コワテやロキア・トラオレなどは、その代表的なミュージシャンといえるだろう。

また、考えてみると、やはりロクア・カンザの登場がそのハシリだったのかもしれない。リンガラ・ポップが全盛だった93年に録音されたロクアのファースト・アルバム『Lokua Kanza』は、生の声の魅力を改めて気付かせてくれた画期的な作品だった。シエラ・レオーネ出身のセイドゥーの新作『Diamond Tears』は、そのロクアがプロデュースを担当しているが、前作よりもグッとアコースティック色を強めている。サリフ・ケイタの新作『Moffou』も、これまででもっともアコースティックな手触りを持つもので、サリフもアコースティック・サウンドが見直されている現在のシーンの流れと無縁ではいられないということなのだろうか。

アフリカのアコースティック・サウンドの担い手たちの作品を紹介。

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