SALIF KEITA インタビュー
アフリカ音楽の巨人が故郷であるマリにひとつのクラブをオープンさせた。名前は
サリフ・ケイタのエマーシー移籍第1弾となる『Moffou』は、本格的なアコースティック・アルバムだ。97年以来、彼はしばしば故郷のマリに戻るようになり、スタジオを作って若いミュージシャンのプロデュースなどもしていたという。
「歳を取るにつれてマリのバマコに戻っているほうが、居心地がよくなってきた。いずれにせよ、私はバマコのほうでより必要とされていると思う。フランスよりもね。いま、より多くの時をマリで過ごそうとしているんだ。世界中を旅するようになる以前に自分が学んだものと、一層直接的なコンタクトを取っている。そして、それは私の心に平和をもたらしてくれるんだ」。
アルバム・タイトルとなった『Moffou』は、西アフリカの音楽シーンを活性化するために、サリフがバマコ郊外にオープンしたクラブの名でもあるようだ。
「モフーとはキビの茎で作られるトラディショナルな楽器で、最近はどんどん見かけなくなってきている。私たちはまず西アフリカ音楽のマエストロ、カンテ・マンフィーラとリハーサルをスタートした。それからマリの若いミュージシャンとリハーサルをはじめた。そして、それらをすべてジャン・ラムーの手に委ねた。ジャンはノワール・デジール、アラン・バシュン、ブリジット・フォンテーヌなどと仕事をしてきたプロデューサーだ」。
サリフは当初、<アコースティック・アルバムを作ってほしい>というレーベルからの申し出に難色を示したという。しかし、それもひとつの挑戦と考え直し、制作に取りかかったようだ。
「日々の演奏が刺激的であるためには、革新的でなければいけない。だから、いつでも私はラディカルであろうとしている。私は、自分のアルバムをすべて同じサウンドにしようとは思わない。たとえば、この作品にはドラムが入っていないだろ? 大太鼓のパートは瓢箪で演ってるんだ。力強い音が欲しくて、ンゴニやトーキング・ドラムのような個性のある楽器も採り入れた。結果にはとても満足しているよ」。
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