耳で聴いたピープル・ トゥリー(2)
ANTONIO CARLOS JOBIM
『Composer』Warner Bros.
若手ソングライターの曲を自分で歌っては、彼らを次々とMPBの舞台へ上げていったエリスだが、その生涯でいちばん多く歌ったのは、ずっと先輩であるこの大作曲家の曲だという。エリスが牽引していたMPBの裏側には、いつもこの孤高の巨匠によるもうひとつの大きな流れがあったことを証明しているのでは? (ジョビン)
PEDRO MARIANO
『Voz No Ouvido』Trama(2000)
異父兄弟である兄、ジョアン・マルセロ・ボスコリが主宰するブラジルきっての先鋭的レーベル、トラマからリリースされた次男坊、ペドロ・マリアーノの2作目。顔はエリスにそっくりだが、そのスムースでジャジーでアーバンなAORサウンドは、父親セーザル・カマルゴ・マリアーノからの影響のほうが大きい。 (ジョビン)
HERMETO PASCOAL
『Zabumbe-bum-a』Warner Brasil(1979)
モントルー・ジャズ・フェスティヴァルでエリスと共演を果たしたエルメート・パスコアール。エリスの歌声に挑むように、変幻自在にカタチを変えるパスコアールのキーボート。天から授かった才能を惜しみなく解放し、シーンを自由に羽ばたいた二人は、ブラジル音楽にとってはかけがえのない宝物だ。(川島)
TERESA BRIGHT
『Lei Ana』ドリームスヴィル(1979)
モントルー・ジャズ・フェスティヴァルでエリスと共演を果たしたエルメート・パスコアール。エリスの歌声に挑むように、変幻自在にカタチを変えるパスコアールのキーボート。天から授かった才能を惜しみなく解放し、シーンを自由に羽ばたいた二人は、ブラジル音楽にとってはかけがえのない宝物だ。(川島)
JILL SCOTT
『Experience : 826+』Hidden Beach/Epic(2001)
エリスがMPBならテレサはMPH(ハワイアン・ポピュラー・ミュージック)か? いわば既存ジャンルの音楽性を、過激さではなく生まれ持った歌心で更新するそのやり方はこの二人に共通しているような気が。テレサのなかのサウダージ、エリスのなかのアロハ・スピリット。エリスが歌うハワイアンを聴いてみたかった。(大石)
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