ELIS REGINA
エリス・レジーナ
ブラジルを代表する女性シンガーであり、年を追うごとに評価を高めている<麦藁帽子の少女>エリス・レジーナ。まるで太陽のように力強く輝き溢れるその歌声は、ボサノヴァと次世代の音楽
エドゥ・ロボ“Upa Neguinho”“Reza”、ジルベルト・ジル“Lunik 9”、ミルトン・ナシメント“Cancao Do Sal”“Caxanga”、イヴァン・リンス“Madalena”“Cartomante”、ジョアン・ボスコ“Mestre-sala Dos Mares”“Bala Com Bala”……。
ブラジルのポピュラー・ミュージックに親しんでいる音楽ファンにとっては、このどれもが馴染み深いアーティスト名・曲名だろう。エドゥ・ロボ作品については、特にブラジル音楽ファンでなくても、最近のクラブ・シーンを介して耳にする人も多いかもしれない。また、上記のナンバーにアントニオ・カルロス・ジョビン“Aguas De Marco”、マルコス&パウロ・セルジオ・ヴァーリ“Preciso Aprender A Ser So”や“Terra De Ninguem”を加えたとしたらどうだろう? ボサノヴァ・ファンにとっても、親しみが増すのではなかろうか。
こうした名前はどれも、エリス・レジーナがレコーディングしたことで、あるいはステージで歌うことで世に送り出され、強烈な記憶として人々に植えつけられていった曲だ。それは決して誇張ではない。当時すでに大御所だったジョビンを除いて、無名のコンポーザーだった彼らにいち早く注目し、積極的にその作品を採り上げ、シンガー・ソングライターとしての活躍の場を与えたのは、エリス・レジーナだった。しかも、ここに挙げた曲名は、当の作者による録音よりもエリスのヴァージョンのほうで知られた楽曲がほとんどであり、そのほんの一部でしかない。
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