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特集

DISC GUIDE──旅行者たちに捧げるブルースを厳選!(5)

カテゴリ : フィーチャー

掲載: 2002年04月04日 05:00

更新: 2003年03月18日 20:50

ソース: 『bounce』 230号(2002/3/25)

文/大石 始、穀田 大、桑原 シロー、ダイサク・ジョビン、堀内 幸江、村尾 泰郎

本田ゆか
『Memories Are My Only Withness』
Tzadik

ひとつの角を曲がるたびに、またひとつ風景が開けていく旅もあれば、始まりをめざして螺旋を描くように潜行していく旅もある。チボ・マットの本田ゆかが初めてリリースするソロ・アルバム『Memories Are My Only Witness』は、おそらく後者といえるだろう。デビュー当時のエキセントリックな印象から一転、驚くほどの洗練とキレの良さをみせたのがチボ・マットのセカンド・アルバム『Stereotype A』だったが、今回のソロ作にも独特の色気というか、香気のようなものはしっとりと息づいている。チボ・マットの洗練は、例えばNYロフト・ジャズ・シーン(本作はジョン・ゾーンのレーベルからのリリース)や、ショーン・レノンなどグランド・ロイヤル一派との交流から育まれたミュージシャンシップによるところが大きい。 だからこそこのソロ作は、そんなプロセスを記憶という名の旅のひとつと捉え、奏でられる音楽はイマジネーションを掻き立てるインストゥルメンタル仕立て。ブレイクビーツから民族音楽~ファンク~アヴァンギャルド、そのどれでもあるようでどれでもないのは、この音像が彼女の〈たしかこんな感じ〉を巡る小旅行だからだ。ラベンダーの匂いを嗅いでタイムトリップ、なんてお話もあったけれど、たしかにこの作品には、リスナーを音楽の生まれる瞬間へと誘う優しい香りに満ちている。(村尾泰郎)

その他、文中に登場するアーティストの作品を紹介。

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