DISC GUIDE──旅行者たちに捧げるブルースを厳選!(4)
UP, BUSTLE AND OUT
『Master Sessions』Ninja Tune(2001)
ブリストル代表のアップ・バッスル・アンド・アウトとキューバ代表のリチャード・エグエスのコラボレーションはキレイに1+1を2に収めようとする健気さがいい。お互いにリスペクトしてるから中途半端なミクスチャーにならないんだね。結果、両者のリズムの共通性が浮き立っていて、こっちのほうが断然刺激的だ。(大石)
VARIOUS ARTISTS
『African Travels』Six Degrees(2001)
ポップ・ミュージックにおけるさまざまなリズムの源流を辿ってみると、ほとんどブラック・ミュージックのどれかにたどり着く。ハウス、テクノ、ブレイクビーツといったダンス・ミュージックのクリエイターたちが一周して、ふたたび原点であるアフリカへと回帰する音楽(リズム)旅行の記録を集めた好コンピ。(ジョビン)
VARIOUS ARTISTS
『BLACK & FUSION』 KSR(2002)
「remix」誌によるシリーズ・コンピレーション。今回は〈黒い感覚を持ったフュージョン〉がテーマで、話題のリクルースをはじめ、ウェスト・ロンドン~エレクトリック・ジャズ、ディープ・エレクトロあたりがセレクトされている。日本人では唯一chari chariが登場。音も〈旬〉だが、アーティスト陣も〈旬〉ぞろいの内容。(堀内)
VARIOUS ARTISTS
『brazil』WARNER INDIES NETWORK(2002)
ちょっと前にブラジルで全曲〈イパネマの娘〉のカヴァー集が出ていたが、こちらはDouble Famous、パードン木村らが参加した日本産、全編〈ブラジル〉の競作アルバム。ホーギー・カーマイケルのスタンダード曲をスカ、ニューオーリンズ・ビート、ハワイアンで調理して、香ばしさ満載未来世紀的無国籍風ディッシュが出来上がった。(桑原)
VARIOUS ARTISTS
『F.E.E.L.2』flower(2002)
日本から世界へ、良質のクラブ・ミュージックを発信し続けるレーベル、flowerのチルアウト・コンピレーション最新盤。jazztronikを見い出したレーベルだけに、今回ここに収録されたアーティスト陣も今後の活躍に期待大! 海外のチル系コンピと比べても全くひけを取らない、相変わらずのトータル・クォリティーの高さを誇る。(堀内)
VARIOUS ARTISTS
『LOW FLIGHT』『LOW FLIGHT II』ファイル(2002)
ファイルが贈る、リラクゼーション系コンピレーション。現在第2弾までリリースされている。WATER MELON、サイレント・ポエツ、ナチュラルカラミティなどを収録した、なごみサウンド・ファイル。過去の貴重な音源から惜しみなく大放出!! なかでもRIP SLYME“UNDERLINE NO.5”のchari chariによるリミックスが異色&白眉。(堀内)
※こちらは廃盤です
WOULD-BE-GOODS
『Mondo』Cherry Red/ポリスター(1993)
ウッド・ビー・グッズのジェシカちゃんと世界一周ポップの旅。エルのクール・ビューティーが90年代にひょっこりリリースした本作は、プロデュースをビドが、バック・バンドをモノクローム・セットが担当。コンセプトはずばり〈世界(モンド)〉で、ほんのりとエキゾティカを匂わせつつ、自転車で太平洋を渡る勢いです。(村尾)