DISC GUIDE──旅行者たちに捧げるブルースを厳選!(2)
Harry&Mac
『Road to Luisiana』エピック(1999)
世界音楽探検(旅行)のパイオニアであるハリー(細野晴臣)とマック(久保田麻琴)が、自分たちの音楽の故郷、ニューオーリンズとLAを再訪した珍道中の記録。ザ・バンドのメンバーなど憧れのミュージシャンとのリラックスしたセッションから生まれた、アメリカン・ルーツ色の濃いサウンドはとにかくディープ。(ジョビン)
平安隆&BOB BROZMAN
『童唄』リスペクト(1999)
太平洋を挟んだ二人のブルースマンが、オキナワは竹富島の一軒家にギターを山ほど持ち込んでセッションしたチャンプルー・ミュージック。〈オキナワの童唄とアメリカのブルースをミックス〉させるという、環太平洋的視点を持った壮大なプロジェクトで作られたこのゆるゆるサウンドの、なんて人なつっこいこと!(ジョビン)
LATIN PLAYBOYS
『Dose』Atlantic(1999)
世界中を旅してまわり、その行く先々の街角で拾ったサウンドを大胆にサンプリング。かくして出来上がったのが、ラテン・プレイボーイズ風ガンボ料理なり。生活のざわめきがたっぷり詰まった音の断片と歌がじっくり煮詰められる。そのスパイシーな風味には舌にピリリと刺さるようなエッジもあって、一度味わえば病みつきに。(村尾)
※こちらは廃盤です
ME
『Fecund Haunts』 Popgod(1995)
イギリスの歌うボヘミアンたち、ミー。ムーン・フラワーズ一派でもある彼らは、カンタベリーで自由な共同生活を送りながら、飯を食い、笑い、そしてつれづれなるがままに歌を紡いでいく。まるで旅回りの一座を思わせる郷愁と、異国の風を孕んだメロディー。そこには、大人から子供まで、みんなの笑顔が響いている。(村尾)
MURO
『PAN RHYTHM:Flight No.11154』トイズファクトリー(2000)
MUROのガイドは実に懇切丁寧、僕のような門外漢だって安心して身を任せられる。ジャケもまた〈お先に!〉という感じで、旅のお供にはこのファットなビートがほどよく気分を盛り上げてくれるに違いない。徹底的にトータル・プロデュースされた〈旅モノ〉の定番。シートに座りさえすればどこにだって連れていってくれる。(大石)
NITIN SAWHNEY
『Prophesy』V2(2001)
UKエイジアン、ニティン・ソーニーの5作目のアルバム。この作品を作るにあたり、〈世界の各地を旅行し、その旅のなかでインスパイアされたものを音に込めた〉というだけあって、民族色の濃い楽曲も多数収められている。ヨーロッパ、アジア、アフリカ、アメリカ、ニティン・ソーニーと行く音の大陸横断といった趣。(堀内)