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特集

ポケット・シンフォニーと巡る不思議な世界旅行

カテゴリ : フィーチャー

掲載: 2002年04月04日 05:00

更新: 2003年03月18日 20:50

ソース: 『bounce』 230号(2002/3/25)

文/福田 教雄

〈箱庭〉とは、その出自を考えれば〈ポケット・シンフォニー〉なんて意訳も成り立つだろうか? ポッケのなかのメロディー、ハーモニー。そこに手を 忍ばせれば、僕らは違う位相を手にできる。そして、そこに垣根がないとす るなら、音楽は自然エクレクティックになる。

パンクの記憶/ポップの熱狂を、サウンドシステムの愉悦やパブの敷居に閉じ込めたビーツ・インターナショナル。そして、そこから赤道を越えると、約 10年後、南半球ではアヴァランチーズという宝石が用意されていた。小型で高性能。データ圧縮/管理ならお任せ。なにしろ900以上のサンプルが用意されたのだ。けれど数は重要じゃない。〈楽しい〉ということこそ大事。

そして広角度で緯度を北上、そこにある列島の首都から空を見上げると、ほのかに光る衛星犬が見えるだろう。そうなればしめたもの。僕らは〈俯瞰〉の視点を手に入れる。

さらに、WORLD STANDARDは時をまたぎ、環になって演奏に興じるジャグ・バンドと、マウンテン・バラッドの孤独の間で身がはり裂けそう。そんなアメリカ……。

さて、ふとウクレレの〈ポロン〉に後ろ髪を引かれると、そこは光の洪水。赤道近辺を『World Hits!? Of Southern All Stars』はゆっくりと移動していく。

そして最後はファンキー・ジャズ・グルーヴとターンテーブリズムの出会い。マッドリブの手の内で踊っていたという案配。

気がつけば、ブラザヴィルを聴いて横たわる春の夢。この時差ボケ、当分おさまりそうにないな。

文中に登場するアルバムを紹介。


WORLD STANDARDの99年作『MOUNTAIN BALLAD』(Daisy World)

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