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特集

モーサム・トーンベンダー×54-71

カテゴリ : フィーチャー

掲載: 2002年03月21日 06:00

更新: 2003年03月13日 17:06

ソース: 『bounce』 229号(2002/2/25)

文/bounce編集部

JRトーク・セッション出発進行! モーサム・トーンベンダーからは百々和宏、54-71からはskullgrinder&bobo。音像の追求という共通項を持った両者が考える、〈ロック〉とは?

――まず始めに、みなさんはこのシーンにおいて、どんなポジショニングにあると思いますか?

skullgrinder「〈サブカル〉なんでしょ」

一同「あははは」(爆笑)

bobo「マニアのための音楽みたいになっているのかねぇ?」

百々「(54-71の)リーダーが〈サブカルってなに? サブカルって言われるのがわからない〉とか言ってなかったっけ? 呑みながら」

bobo「自分たちがメインストリームじゃないことはわかるんだけどね」

――メインが曖昧なだけに難しいですね。

百々「〈日本のロック〉のなかにあればいい。東京でライヴをやり始めたときに、〈○○○系〉とかよく言われてたんだけど、いちいち頭にきていたんですよ。〈それだけじゃないだろ!〉って」

――では、具体的にみなさんのバンド・スタイルについてお訊きします。そんな誤解も含め、ロックを演奏するうえで、〈伝統の継承〉と〈新しい創造〉という両者をどんなバランスで自己消化させているのかも気になるところです。

bobo「伝統を大事にしています。過去の音楽を聴いて、気持ちいい部分を研究したりするからね。メチャクチャにやれば、それは〈新しい!!〉って喜んでもらえるのかもしれないけど……」

――ほうほう。

bobo「変態と呼ばれたくて、音楽をしているわけじゃない。過去を踏まえたうえで、さらに新しい音楽を鳴らすっていう考え方」

――では、〈新しい創造〉に多少歯止めをかけていると。

skullgrinder「それはないよ。〈カッコイイからこっちにする〉という理由で新しい試みをすることだってたくさんある。もちろんボタンを押した時点でオレらに責任が付いてくることになるんだけど」

百々「僕は〈ジャンルに束縛されたくない〉と言っているだけに、伝統や創造に関係なく、常に自由でありたい。自分らの嗅覚に従うだけだけど、急にラテンのビートを採り入れることはないわけで……。うちのバンドがやればカッコイイってことになるんだったら、GOするとは思うけど。他にやらなきゃいけないことがたくさんあるし……」

――やらなきゃいけないこと?

百々「肉体的なビートの追求だったり、音をさらに鋭角にしたいとか。 CDをいくらゴージャスな音にしても、その温度差はライヴで如実に出てしまうじゃないですか?観に来てくれた人たちに〈CDのほうが良い〉なんて言わせたくない」

──肉体的な問題って気になりません? 要は歳を取ることへの不安です。〈ロックを演奏できなくなるんじゃないか?〉とか。

skullgrinder「ないよ。むしろ丸腰で相手の刀を取りにいけるような気がする。パワフルなギター・カッティングやドラムのリズム・キープはできなくなってしまうかもしれないけど、できないぶんポイントを選ぶ集中力は成長すると思う。もちろん、いまのスタイルが絶対ではないし、自分たちのバンドは精神的な部分が大きいから」

bobo「〈速く〉とか〈強く〉だけじゃないし。僕が好んで聴いている音楽もベテランの作品ばかりだし」

skullgrinder「そういや、あれはどうだった? エルヴィン・ジョーンズ」

bobo「わははは(笑)。先日、彼のドラム・クリニックに行ってきたんだけど、もう70歳ぐらいなの。香水の匂いがすごかった。しかもいきなりの質問コーナーで、なかなか叩かない(笑)。けれど、叩いたときはすごかった。出てたよ~サムシング。年齢に関係なくロックができるわけだね」

百々「僕は50歳になってもやってるとは思えないな」

skullgrinder「あんな爆音じゃ身体に悪いよ(笑)」

――歌詞についても訊かせてください。

skullgrinder「歌詞ねぇ、難しいな。オレらは英語詞でやっているから、ジレンマはいつでもある」

――それは〈伝えきれていないんじゃないか?〉という不安ですか?

skullgrinder「そう。ライヴを録音して聴いたときに、ヴォーカルの細部が聞こえてこない。ただでさえ条件が悪いから」

百々「ほんと苦労するよね。歌詞はモーサムを聴かせるのにいちばんわかりやすい部分だし。それひとつで全てを台無しにしてしまうことだってあるからたいへん」

――意識的にわかりやすい言葉を選んでいるのでしょうか?

百々「その必要はないんだけど、聴く人を突き刺したいわけですよ。それを考えると、ストーリー以前にそれぞれのイメージが膨らむように余韻を残したい」

――それでは最後に、この特集の趣旨とは逆行してしまいますが、あえて自分たちのCDの帯にカテゴリーを付けるとしたら?

skullgrinder「〈骨組み音楽〉? 例えば家の壁とか窓というよりは、骨組みがいかに太くて頑丈であるかを探している音楽」

百々「〈ヘヴィー工法〉ってのはどう?」

skullgrinder「ちょっと偉そうだからダメだね(笑)」

――モーサム・トーンベンダーのほうはどうでしょう。

百々「やっぱり、〈日本のロック〉と言われるだけでいいな」


ロックとは?
「腫瘍みたいなものかな。切っても切っても勝手に育ってしまう」
──bobo(54-71)

「昔のものって、〈日本〉とかいう感覚じゃないんだよね。でもさぁ、これってロックなの?」という、彼が選んだ一枚は、はちみつぱいの73年作『センチメンタル通り』(キング)

ロックとは?
「結局捕まえられんもの」
──百々和宏(モーサム・トーンベンダー)

「緊張感やバンドの空気感にビックリした。そこでピンとくる作品ならば、間違いなく好きになれる」という、彼が選んだ一枚は、ジャックスの68年作『ジャックスの世界』(東芝EMI)

ロックとは?
「自分を鍛え上げてくれるもの。ハイパー・マッスル!!」
──skullgrinder(54-71)

「日本のロックは聴かないけど、これだけはよく聴いていたね」という、彼が選んだ一枚は80年におこなわれたフリクションのライヴを収録した『LIVE1980』(ビデオアーツ)

PROFILE
モーサム・トーンベンダー

百々和宏(ヴォーカル/ギター)、武井靖典(ベース)、藤田勇(ドラムス)の3人組。97年に福岡で結成され、多くのライヴをこなしながら、99年にはCD デビューを果たしている。2001年に発表されたメジャー・デビュー・アルバム『HELLO』も評判の彼らは、さきごろシングル“未来は今”リリースしたばかり。メンバー間の決めごとは〈最初の一音で周りの景色、雰囲気を変えられる音を出そう〉

モーサム・トーンベンダーの作品を紹介。

54-71
95年に川口(ベース)、佐藤(ヴォーカル)によって結成。その後、 skullgrinder(ギター)、bobo(ドラムス)が加わり、現在の編成となる。オリジナリティー溢れる演奏形態は、現在のシーンにおける〈真のオルタナティヴ〉と呼んでも差し支えないだろう。そんな彼らの最新アルバムは、2001年6 月にリリースされた『reprise』。4月11日(木)には新宿・LOFTにてワンマン・ライヴをおこなう。

54-71のアルバムを紹介。

インタビュー