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特集

コンピレーション・アルバムをご紹介
──あらゆる企画から見えてくる2001年

『TAGS OF THE TIMES VER 3.0』(メリージョイ)

アンダーグラウンド・ヒップホップの定番シリーズ。〈V3.0〉にも、カンパニー・フロウ、ドーズ・ワン、SHING02、ミスター・リフらヨダレもののメンツが揃い、音楽はもちろん精神性における美しい共振ぶりを、またも見せてくれた。(出嶌)

『URBAN RENEWAL: THE SONGS OF PHIL COLLINS』(Warner Bros.)

一時期より減ったトリビュート・アルバムだが、これは企画勝ち。R&B/ヒップホップ系の連中がフィル・コリンズの歌をハゲしく切なく文字どおりリニューアル。ブランディー姉弟やリル・キムなど笑えたり泣けたり。(出嶌)


『SOUL TRAVELING: BRUNSWICK DJ MIX BY DEV LARGE A.K.A. BOBO JAMES』(ビクター)

2000年のカートム音源ものに続き、魔人DEV LARGEがブランズウィック音源をミックス! 純然たるリイシューもいいが、こういうコンテンポラリーな提案があってこそ、いま聴く意味も出てこようもの。(出嶌)


『TALKIN' LOUD MEETS FREE SOUL TWO: 1995-1999』(ユニバーサル)

十年ひと昔というが、トーキン・ラウドまでもがフリー・ソウルのマナ板に乗せられたことは、シーンの流れの早さの象徴なのか。数多の場面を思い起こさせつつ、よどみなく流れる90年代の財宝たち。〈ONE〉も必聴。(出嶌)

『SOUL SCRAMBLE: TRIBUTE COLLABORATION ALBUM』(ソニー)

ジャンルや国を跨いでクセのある連中が集まった異種格闘技戦。猪木×ウィリー級の緊張感はありつつ、それぞれの見えざるポテンシャルまでもが結果的に引き出されている。ゆえにトラック・リスト以上に豪華なのも当然。(出嶌)

『SPIRITUAL LIFE MUSIC』(cutting edge)

多くのキーワードや飛び道具がハウスに押し寄せた2001年だが、大衆ポップとは無縁に、悠久のヴァイブを誠実に紡いだ本道は不動。ジョー・クラウゼルが主宰するスピリチュアル・ライフ・ミュージックの日本向けコンピはその代表格。(出嶌)

『ULTIMATE GARAGE & BREAKS: COSMIC STEP』(Pヴァイン)

2ステップのミックスCDが連発されるなか、日本のDJがミックスしたこのシリーズが光った。とくに全曲が本邦初登場となるフィフティー・ファースト音源をajapaiが用いた本作は、2ステップの奥深い興奮を広範に誇示した好企画。(出嶌)

『DISCO NOT DISCO』(Strut)

ファンク~ディスコ~ニューウェイヴのスリリングな出会いから生まれた80年代NYノーウェイヴ・シーン。そのケミストリーをジョーイ・ニグロがコンパイル。リキッド・リキッドやオノ・ヨーコが肩を並べ、ストリートを横切って2001年へ。(村尾)

『POPTONES PRESENTS RA-DIO 4』(エピック)

アラン・マッギーの新設レーベル、ポップトーンズの全貌を知る名刺代わりのコンピ。ギターポップから、パンク、ダブまで、自由気儘なセレクトと統一されたパッケージ・デザインは、音楽シーンへの挑戦。インディーズの魂百まで。(村尾)


『NO WATCHERS, NO MAPS』(Fat Cat)

エレクトロニカ注目レーベル、ファット・キャットのコンピは、なんとレーベルに送られてきたデモ・トラックを集めたもの。エレクトロニカ~ノイズ~テクノ~アンビエント……さまざまな無名の才能で綴られる未来の音楽地図。読み方自由。(村尾)


『SONGS IN THE KEY OF Z』(Which?)

モンド・ミュージック・リサーチャー、アーウィン・チュシドが監修した音楽アウトサイダー図鑑。タイニー・ティム、シャグス、ダニエル・ジョンストンなど、異端のポップス史を鮮やかに編纂、好奇心と愛情たっぷりにパックした。(村尾)

カテゴリ : フィーチャー

掲載: 2001年12月27日 21:00

更新: 2003年03月07日 19:03

ソース: 『bounce』 228号(2001/12/25)

文/久保田 泰平、ダイサク・ジョビン、出嶌 孝次、村尾 泰郎

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