JAPANESE POP (その3)
スクービードゥー
『Beach Party』(DECKREC/UKプロジェクト)
いにしえのロックやソウル、ジャズなどのディテールを忠実に再現するだけでなく、2001年のマナーでもってポップ・ミュージックに昇華させた点で言えば、EGO-WRAPPIN'やLOVE PSYCHEDELICO とともに讃えたい傑作。(久保田)
スケボーキング
『KILLING FIELD』(ワーナー)
〈オルタナティヴ〉なんて使い勝手のいいカテゴライズに、安寧とその身を委ねることなく。哺乳類でもなし、かといって鳥類でもなし。コウモリよろしくジグザグと宙を舞う。そんな死亡遊戯の末に生まれたハイブリッドなロック・アルバム。(望月)
CHEMISTRY
『The Way We Are』(DefSTAR)
偶然の化学反応からもたらされた素敵なハーモニー。ABCは知ってても、それだけじゃ困ります! 1+1が時として∞の答えを導き出すっていう純然たる事実。彼らの大成功をもって思いっきり知らしめられた感、みなさんおありでしょう?(望月)
関口和之 &砂山オールスターズ
『World Hits? of Southern All Stars』(TAISHITA)
CAPTAIN MOOKの舵とりで、お宝再掘の航海に出た名うての一味党浪。〈砂山〉なんて隠語で宝のありかを巧みにコーティングしてるけど、そんな奥ゆかしい一面も、みんなハナからわかって楽しんでたんですよ。(望月)
BONNIE PINK
『Just a Girl』(イーストウエスト)
過去と現実を見つめあげた末に、図らずも辿り着いた〈裸の私〉。デビュー作『BLUE JAM』以来、久方ぶりの日本録音を経て届けられた本作には、強さと弱さを同様に謳歌するストロング・イナフないまの彼女が、しかと刻み込まれることに。(望月)
キタキマユ
『トリコロル』(ソニー)
押しつけがましいアーティスト志向があるわけでもなく、かといって無節操というわけでもない。ゆえに、良心的ジャパニーズ・ポップスのド真ん中と呼ぶのは強引か? ブランド品やカン違いの主張を好む人にはゼッタイわかんない、純なガール・ポップ。(久保田)
キリンジ
『Fine』(ワーナー)
毒や色香はあいかわらずではあるけれど、耳触りは極めてオーソドックスなポップ・ミュージックに。妙なギミックはなくとも、にっぽん人の心に訴えかける〈グッとくる感〉は、さらに即効性を増して。〈Fine〉とは、われわれの率直な感想でもあり。(久保田)
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