REST OF WORLD ではなく、 ますます身近なものになってきた世界中の音楽
ワールド・ミュージックって、ひと昔前のように特別なものじゃなくなっているな、というのが、この10枚のリストを見ての感想。ほとんどが、熱心なワールド・ミュージック・ファンというよりも、いわゆる一般の音楽ファンに支持された作品だ。フェミ・クティはロックやソウル、ヒップホップのファンからも高く評価されているし、タラフ・ドゥ・ハイドゥークスなんて、信じられないくらい幅広い層にアピールした。スティングのファンがシェブ・マミを聴いてライに興味を持ち、 GLAYのファンがジャウリムを聴いて韓国の音楽シーンに思いを馳せた。 2002年も、よりジャンルの分け隔てなく聴かれる音楽が増えるだろう。
FEMI KUTI
『Fight To Win』(Barclay)
亡き父フェラ・クティのアフロビートを継承し発展させるフェミ・クティ。アフリカ音楽ファン以外にもジワジワと拡がっていたその人気は、本作で不動のものに。次回作は、もっと凄いものになりそうな予感が。
VARIOUS ARTISTS
『bonjour hawaii』(bonjour)
KAMA AINAこと青柳拓次プロデュースによる、ヴァーチャルなハワイ旅行。日本を代表するハワイアン・ギタリスト、山内雄喜らの最高に美しい演奏に、現地フィールド録音も交え、古き良き時代のハワイを鮮やかに甦らせた。
LUNASA
『The Merry Sisters Of Fate』(Green Linnet)
伝統をしっかり受け継ぎながらも、紛れもなく現代のフィーリングをもったサウンドを聴かせるアイルランドのトップ・グループ。鉄壁のアンサンブルから生み出される強烈なグルーヴは、他の追随を許さない。 3作目にして最高傑作。
blue asia
『HOTEL IBAH』(キング)
久保田麻琴がプロデュース、そしてヤン富田らも参加の、インドネシアはバリを題材にした無国籍音楽。久保田とインドネシアという組み合わせは、永年のワールド・ミュージック・ファンならニヤリとするはず。文句ナシの、まさに楽園の音楽。
- 前の記事: BRAZIL (その2)
- 次の記事: REST OF WORLD (その2)