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BRAZIL 過渡期にある、 そしてベテラン勢による傑作も目立った1年

カテゴリ : フィーチャー

掲載: 2001年12月27日 21:00

更新: 2003年03月07日 19:03

ソース: 『bounce』 228号(2001/12/25)

文/ダイサク・ジョビン

<ブラジル新世代>のなかでも、2001年で特筆すべきはやはりモレーノ+2の登場。ブラジル音楽特有の豊かなメロディーとリズムに、ブレイクビーツやノイズを効果的にミックスさせたそのサウンドは、さらに新しい展開を予感させ、今後に期待がもてる。カエターノ・ヴェローゾもその独自の音世界をさらに深化させ、彼のトロピカリズモ仲間、トン・ゼーも同じく斬新で真にオリジナルなサウンドを披露してくれた。そのほかにもイヴァン・リンス、ジョイス、小野リサなど、確固たる地位を築いている大物たちが揃って傑作を発表。そして坂本教授作品の壮大なる企画と出来上がった音楽の素晴らしさも2001年の大きなトピック。

MORENO+2
『Maquina De Escrever Musica』
(Rock It!)

先鋭的なリオのアンダーグラウンド・シーンの重要人物3人による、イマジネーション溢れまくりのフレッシュなサウンド。胸に突き刺さるモレーノの切ない歌声は、やっぱり偉大なる父カエターノ直系です。

TOM ZE
『Jogos De Armar, Faca Voce Mesmo』
(Trama)

さらに徹底的に素晴らしく壊れてる(音楽も人も)。 60年代から一貫して実験し続けている筋金入りのマッド・サイエンティストによる、とっても前衛的なのにとってもポップで、マジカル&ミラクルなサウンドがいっぱいの愉快なアルバム。

CAETANO VELOSO
『Noites Do Norte』
(Mercury)

ますます磨きがかかったその鋭利なサウンドがもつ底なしの魅力に、ズブリズブリと引き込まれていってしまう。もはやどの既成のジャンル名を使っても表現し得ない、孤高の<カエターノ・ミュージック>だけがもつ究極の美に圧倒されるばかり。


GUILHERME DE BRITO
『Samba Guardado』
(Lua)

年を重ねるほど味わい深くなるワインのような歌声って本当にあるんだと実感させられた、サンバの生きた伝説(79歳!)、ギリェルミ・ジ・ブリートの今作。感動で胸を熱くさせられるその奇跡的な歌声をたっぷりと堪能できる贅沢な一枚。

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