BLUES/COUNTRY ベテラン勢が揃って大活躍、 ブームを通過してルーツ音楽の捉え方が変わってきた
健在ぶりをアピールするに留まらない良質な作品を発表したオル・ダラ、ドクター・ジョンなどベテランの活躍がとくに目立ったのが印象的。映画「オー・ブラザー!」公開など、本国アメリカではルーツ音楽ブームが続いていたが、日本ではダン・ヒックス復活(初来日)効果なのかアコースティック・スウィング関連のリイシューも話題に。そのほか、滑り込みで届いたチャーリー・パットンの7枚組ボックスはとにかく圧巻だったし、ジョン・フェイヒィ(ラストワーク?)のレーベル、レヴェナントもイイ仕事してましたね。 2001年は、ルーツ音楽の聴き方や楽しみ方が少しずつ変ってきたように感じた1年でした。(美濃谷)
OLU DARA
『Neighborhoods』(Atlantic)
今作を引っ提げての来日公演、ルーツ音楽シーンでの30年のキャリアで培われた確かな視点でブルースを捉えるそのボーダレス感覚、そしてなによりもそのリラックスした姿勢、それらすべてが2001年を象徴していた。(牧野)
BUDDY GUY
『Sweet Tea』(Silverstone)
評価が真っ二つに割れ、2001年ブルース・シーン最大の問題作となった御大のアルバム。ファット・ポッサム作品のカヴァーという企画ものではあるが、生な感触とエナジーの爆発したプレイは、次世代の心を掴んだ。そのチャレンジ精神に脱帽!(牧野)
WILLIE NELSON
『Rainbow Connection』(Island)
リラックスした雰囲気の中で愛すべき家族と作られた、素朴でハッピーなアルバム! 自然と家族、そしてなによりも音楽を愛するウィリー・ネルソンの懐の深さを改めて実感。殺伐とした現在のアメリカを癒してくれるグランパパ。(美濃谷)
DR.JOHN
『Creole Moon』(EMI UK)
デューク・エリントンを題材にした前作から約2年ぶり。彼だけが持ち得るファンキー&ヴードゥー・ムードに溢れ、ニューオーリンズ臭がプンプンする一枚! 月夜の下で怪しい輝きを放つ、ニューオーリンズ・ミュージック・シーンの生き証人は健在。(美濃谷)