AMERICAN NEW STANDARD(その2)
THE CHAMBER STRINGS
『M-onth Of Sunday』 (Bobsled)
本年度のベスト・メロディー・メーカー。滑らかに、じっくりと織り込まれた歌の生地に乗るのは、しらじらとした夜明け前の空気に染まった歌声。そこにエピック・サウンドトラックス~リリーズ~ウィルコと繋がるソングラインが浮かび上がる。(村尾)
SUPERCHUNK
『Here's To Shu-tting Up』 (Merge)
〈そろそろ安定期に突入か?〉とタカを括っていたらこの大傑作。それも変なおかずなし、直球唄心のみで挑んできたからたまんない。これほどまでにバンドは素敵に歳を取るのか……と感動しちゃいました。まだまだ行きます、涙、涙の8作目。(小林)
DEATH CAB FOR CUTIE
『The Photo Album』 (Barsuk)
エモコアという流れがメインストリームと合流していくなかで、ひとつの可能性を見せたアルバム。ギターの爆発度は控え目に、エモという言葉の奥にしまわていたセンチメンタルなあれこれを、赤裸々にスナップしてみせた。(村尾)
JIM O'ROUKE
『Insignificance』 (Drag City)
カラオケ大王ジム・オルークが、バンドの生オケにのって歌うロックンロール・メモワール。一音一音がロックへの憧れと素直に結びついている。〈音響派〉〈シカゴ・シーン〉なんて言葉が消えたあとに残ったのは、そんなひたむきな愛だった。(村尾)
FUGAZI
『The Argent』 (Dischord)
とにかくヘッドフォンでお願いします! 従来にはなかった音の散らばりが痛いのなんの。存在自体が〈特別〉であることは間違いなし。でも、それに甘えることなく攻め続ける姿勢。あたりまえのことなんだけど、ここまで来るとひれ伏します。(小林)