AUTHENTIC POPS
新しいサウンド・アプローチとタレント性とが
高いバランスを取ってみせたポップス・シーン
USでは、ここに挙げたUS産3枚いずれにも参加しているロドニー・ジャーキンスや、ブリトニー・スピアーズ“I'm A Slave 4 U”を手掛けたネプチューンズらが、ポップスに流入。その結果、ヒットの王道である現行R&Bと区切りづらいサウンドがポップスの基準になりつつある。もちろん、ゴージャスなシンセを絡めたバタ臭い北欧系サウンドも根強い。一方のUKではボーイズ・バンドが世代交代。サウンド面では、こちらもヒットの定石/定番である2ステップや、ライトなディスコ・サウンドが多く用いられた。というふうにダンス・チューン主体になると、ほぼ全裸で腰を振れるカイリーが強いのにも頷ける。(轟)
BRITNEY SPEARS
『Britney』(Jive)
パーソナルなアイドルから、世界のポップ・アイコンへ、という道程を、表題に自我を出してアピール。OK、オレのブリトニーはもう、世界中の君らのものだよ。あ、音は格段にカッコいいので好きですけどね。(轟)
JENNIFER LOPEZ
『J.Lo』( Epic)
YMOネタのような奇抜さが逆に手堅いポップなR&Bトラックで固めて2ラウンド目のジンクスを吹き飛ばした。その後のリミックス展開でもう一度ヒットもズルイけど巧い。ケツのデカい女が日本でも流行ればよいと思っていたが、そうはならなかったな。(轟)
'N SYNC
『Celebrity』(Jive)
相当ヘンなアルバムだと思います。先行シングル“Pop” のような曲で世間の耳をブッ飛ばさなきゃいけないけど、ヌルいファンのためならベタなバラードも歌うよ、もちろん! そのパラドキシカルな構造の裏側で身悶えする音楽的エゴが、いつハジけるのか?(轟)
KYLIE MINOGUE
『Fever』(Pa-rlophone)
あらゆる音楽遍歴を残すほどに彼女はベテランなんだけど、最近そんな迷いは一切ないの。むしろ堂々としていて、昔の輝きを取り戻しているみたい。UKでつぎつぎと生まれてくる新しい音楽たちすらも、彼女にはかないっこないってコトね!(犬笛)
LIBERTY
『To Those Who Wait』(V2)
その最新のサウンドとメディア・イメージを有効に使っているのが、いかにも現代っ子らしいところね。2ステップ曲“Thinking It Over”をヒットさせた5人組だけど、歌うその姿にセンスと大きな意地を感じるわ。〈負け組〉の本領発揮ってところかしら。(犬笛)
WESTLIFE
『World Of Our Own』(RCA)
数々のレコードを打ち立て……さらにそれを打ち破るのも自分たちと、現在のスーパー・グループが放った3作目。UKグループの流れに沿って〈歌こそがパフォーマンス〉な彼らだけど、トレンドの強いスパニッシュ・ギター+ド派手ビートにも挑戦。(犬笛)
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