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NEW ELECTRONIC STRANGERS 拡散が進行し、アーティスト間の近似が薄まる。 体温の獲得が次の決定打となるか?

カテゴリ : フィーチャー

掲載: 2001年12月27日 21:00

更新: 2003年03月07日 19:03

ソース: 『bounce』 228号(2001/12/25)

文/小野田 雄

(I never talk to strangers〉と歌ったのは、トム・ウェイツとベット・ミドラーだっただろうか? とにかく、見知らぬ者と話してはいけない。その魅力に、あなたは間違いなく引き込まれてしまうからだ。とくにラップトップ・コンピュータや怪しいツマミの付いた機械を持った、音楽家らしからぬ音楽家には要注意! 彼らは電子音やその響きを武器に楽々と既成概念を越えると、世界を新秩序で塗り替えてしまう。しかも、連中はアメリカやイギリスをはじめ、世界各地のいたるところで活動しており、そのネットワークは同様に危険だ。とにかく、あの見知らぬ者たちときたら… …。

VINCENT GALLO
『When』
(Warp)

17年の歳月をかけ、一枚のアルバムのためにスタジオを築き上げたギャロ。コンテンポラリーにアップデートしたヴィンテージのアナログ機材を、繊細に駆使する異才の孤独は柔らかい音の粒となって、彼方に消えた。

MOUSE ON MARS
『Idiology』
(Thrill Jockey)

これまで、ある流れで統一されていた世界が、いびつな楽曲構成に傾いたとき、うれしいハプニングが起こる。ポップと呼んで然るべき……そんな瞬間と素晴らしいヴォーカル曲は、これまでのストイックな作風があるからこそ楽しめるのだ。

MATOMOS
『A Chance To Cut Is A Chance to Cure』
(Matador)

医者のドラ息子2人による、ブラック・ユーモア炸裂の最新作。DMXクルーのエレクトロニカ仕様とでも言えそうな悪意と遊び心は、整形手術中の音をサンプリングする暴挙に。デスクトップ越しに意地悪な笑みを浮かべてそう。


WECHSEL GARLAND
『Wechsel Garland』
(Morr)

ベル&セバスチャン・マナーのジャケは伊達じゃない!? ドイツが誇るウンダーことヨルグ・フォラートの最新プロジェクトは、ノー・サンプリングの完全生音仕様。自然光の明るさと人肌の温もりにも似た、柔らかい刺激が微睡みを誘います。

OVAL
『Ovalcommers』
(Form&Function)

プロセスから商業=〈Commers〉へ。想像力の欠如した周波数音楽に陥らず、それを成立させるための果敢な挑戦がおこなわれた本作は、複雑なテクスチャーにほのかな親しみやすさとアイロニックな爆音を織り込んで、システムをさらなる進化に導いた。

AUTECHRE
『Confield』
(Warp)

祝祭のためではなく、闘争を続けるためのダンス・ミュージック。それは錯綜を繰り返し、踊るには複雑すぎるかもしれない。しかし、ハードとソフトの規則性を知り尽くした者たちによるカオティックな音像は文字どおりのカオスではない。

AIR
『10,000 Hz Legend』
(Record Maker/Virgin)

来日公演では米ウェストコースト・ロック的なエモーショナルな表現に傾倒していたが、エレクトロ(ニカ!?)に叙情性を持ち込んだ本作は、改めて聴くと、そのあり得ない佇まいに驚愕。だって、ヴォーカル・エディットで泣けるんだよ!

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