UK GARAGE & BREAKS 拡散することなく多様に拡がり、 UKの地上と地下を制覇した〈ブーム〉後の2ステップ
2ステップ/UKガラージはジャンルの名称であると同時に、あのビート・パターンそのものでもあるから、そのへんを間違えるとポップスやR&Bの中にそれが拡散したようにも捉えられるが、実際はもうそんな段階じゃない。シーン内外で幅と層の厚さを増した2001年の状況は、2000年が序章に過ぎなかったことを教えてくれた。右の4枚で語れるのは氷山の一角で、アルバム単位では見えてこない注目株のすごさは、ミックスCDやクラブでどうぞ。ソー・ソリッド・クルーのブレイクが引き金となって、2002年にはより地下のブレイクビーツ集団も表に出てきそう。そして、いよいよUSでもブレイクの兆しが。
OXIDE & NEUTRINO
『Execute』(East West)
アンダーグラウンド・ブレイクビーツのウサン臭さとダンスホールの煙たさとヒップホップの即効性を、キャラ立ち十分なツラ構えで吐き出すUKガラージ/ブレイクスの最高峰。本隊ソー・ソリッド全体の活躍もすごかった。
Wookie
『WOOKIE』(S2S)
クラシック化したシングルの数々で2000年を騒がせた男が、2001年の幕開けも飾った。ソウルとレゲエの血をソウルIIソウルのなかで育み、2ステップがミクスチャーなブラック・ミュージックであることを証明した天才肌。黒く炸裂するグルーヴは真にオリジナル!
ajapai
『cheers!』(ポニー・キャニオン)
きらびやかなパーティーの芳香(咆吼?)を放つ日本初の2ステップ・アルバム。シーンの御意見番ドリーム・ティームのお気に入りだというのも頷ける世界レベルの完成度! DJプレイやミックスCDのリリース、リミキサーとしての活躍も目覚ましかった。
MIS-TEEQ
『Lickin' On』(Both Sides)
序文で述べたような、〈ビート・パターンとしての2ステップ〉をエッセンスに採り入れ、巧く多方面にアピールした女性R&Bトリオのファースト・アルバム。溌溂とした“All I Want”は歌もの2ステップの定番として長く記憶されるだろう名曲。