BEST DANCE ARTIST
EDITOR'S TALK 大ヒットを記録して細分化の波を一瞬止めた、ダフト・パンク
DAFT PUNK
『Discovery』(Virgin)
──ここでは、ハウスやテクノ、ブレイクビーツなどの話を。強引だけど、フロアとリスニング、それぞれが鳴るにふさわしいと思える場所で線を引かせてもらいました。
スペイセクなんかはどっちでもアリだから、二者択一の強行案ってことだよね。読者の方にもいっしょに考えてもらえるような……。
──もちろんそうです。
じゃ、オキサイド&ニュートリノなんだけど、日本盤でももっと騒がれるべきだね。日本は相変わらず2ステップに冷たいけど(笑)。個人的には、ビートがおもしろいのと、シーンの在り方が興味深いっていうので目が離せなかった。まあ、詳細はコーナーのほうを確認してもらうとして……
──しかし、元気なシーンだよね。そのパワーがアメリカに渡っちゃえば、どっかの国にも飛び火して……って楽観的?
どっかの国はわからんけど、アメリカは来るね。クレイグ・デヴィッドのUSリリースも成功したし、早くもアメリカ産2ステップも出てきてるからね……まあ、きっかけがあればドーン!といっちゃうでしょ。
──じゃあ、テクノには、2001年ならではのスタイルってあった? 〈これだ〉っていうセールス面での決定打は見当たらないけど、良い作品はかなりあったので。
〈細分化〉ってことに収束する気も。とくにこのへんはリスナーによって〈2001年のベストワン〉が違うだろうね。しかし、大きな動きとしては、80年代のエレクトロっぽいのが前の年から引き続き多かったし、オーブやオービタルのように、これまでの流れを踏襲しながら、良質な作品をコンスタントに発表しているベテランもいるし。あとはジャズだよね。イアン・オブライアンは〈techno〉に入れたけど、ジャズ風味の流用っていう部分に関しては、ホント線引きが微妙なんで、隣で話させて。
──ハウスの状況は?
ブレイズとかスラム・モードなどの黒いのは粒が揃っていたし、大物のミックスCDもいっぱい出たけど、それは毎年のことだしね。で、2001年っぽいっていうと、ライトなディスコもの……フレンチとかフィルターってことでしょ。いっしょにしちゃいけないけど(笑)。きちんとアルバム出してくるのもわかりやすいし……となると、やっぱダフト・パンクが抜きん出ていたことで……いいんだよね?
──ダフト・パンクの世界的なブレイクってことになると、オレでも理由は想像がつくかな。
楽曲に詰め込んだアイデアはもちろん。そして、あのヴィジュアルじゃない? キャラクターに一歩先を歩かせたってことが決定打。そのあたりは、次のリスニング編に繋がっていくわけだ。
──うむうむ。