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BEST R&B ARTIST

EDITOR'S TALK 各々のアプローチをリスナーへ素直に問える時代

ALICIA KEYS
『Songs In A Minor』
(J)

──2001年もR&Bシーンはにぎやかだったよね。洋楽とはいえ、街中でも耳にする機会が多かったし、嫌いな人はいないでしょ?

でもそのって言葉がクセものでね。微妙に世代によって、それぞれの〈R&B観〉が違うのよ。 20歳前後のみんなから言わせれば、ジャギド・エッジみたいな豪快なものかもしれないし。ちょっとベテランなら80年代のムードを上手く消化させたジャネットの最新アルバムがド真ん中なのかもしれない。聴く人によってその解釈が違うんだ。どれもが正解なんだけど。それだけ選択肢が拡がった、良い一年だったってことになる。

──じゃあ、2000年と比べると、微妙にシーンは変化したってこと?

バウンス・ビートやニュー・クラシック一辺倒ってことではないよね。コフィー・ブラウンの“After Party”みたいに、キュートで瑞々しいブラコンのようなタイプも流行ったしね。フェイス・エヴァンスの曲にもその流れは確認できた。

──あえて、その中心はどのあたり? なんて、イジワルな質問をしてみます。

うーん、ヒップホップといっしょにプレイされているもの。アクティヴでスポーティー、それこそヴォーカルを抜いたら、ヒップホップかもしれないような。アッシャーやアリーヤみたいな。それと〈ネオ・ソウル〉と呼ばれているもの。中心といえばどうしてもその両方になると思う。

──そんななかからアリシア・キーズを選んだ理由は?

たくさんの<島>があるから、たった1枚選ぶことは不可能なのは前提として。あえてアリシアかメアリーJ・ブライジかってことになって、結局フレッシュなアリシアかと。その理由は、これまでアーティステックな面だけで語られてたオールド・ソウル感を、きちんとビジネスに乗せてしまったことがその理由。ディアンジェロ、エリカ・バドゥ以降、自作自演で演るアーティストはニュー・ソウルなどの流れに置かれてたわけなんだけど、彼女は芸能的な部分(ヒップホップ・ソウルのフィールド)も踏まえながら、それをやってしまった。結局、セールスでも認められたわけだし。

──あとはルックス、彼女はベッピンさんだから。

それは大きい(笑)。

──今後さらに入り組んでいきそうなR&Bシーンなんだけど、新しい才能をいち早く発見できる手段ってあるのかな?

たとえば、サントラ盤ってかなり有効なのかもしれない。承知のとおり、ヘタなコンピよりクォリティーは高いし、アーティストにとってテストケース的な意味合いが強いものも多いからね。

カテゴリ : フィーチャー

掲載: 2001年12月27日 21:00

更新: 2003年03月07日 19:03

ソース: 『bounce』 228号(2001/12/25)

文/bounce編集部

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