BEST R&B ARTIST
EDITOR'S TALK 各々のアプローチをリスナーへ素直に問える時代
ALICIA KEYS
『Songs In A Minor』(J)
──2001年もR&Bシーンはにぎやかだったよね。洋楽とはいえ、街中でも耳にする機会が多かったし、嫌いな人はいないでしょ?
でもその
──じゃあ、2000年と比べると、微妙にシーンは変化したってこと?
バウンス・ビートやニュー・クラシック一辺倒ってことではないよね。コフィー・ブラウンの“After Party”みたいに、キュートで瑞々しいブラコンのようなタイプも流行ったしね。フェイス・エヴァンスの曲にもその流れは確認できた。
──あえて、その中心はどのあたり? なんて、イジワルな質問をしてみます。
うーん、ヒップホップといっしょにプレイされているもの。アクティヴでスポーティー、それこそヴォーカルを抜いたら、ヒップホップかもしれないような。アッシャーやアリーヤみたいな。それと〈ネオ・ソウル〉と呼ばれているもの。中心といえばどうしてもその両方になると思う。
──そんななかからアリシア・キーズを選んだ理由は?
たくさんの<島>があるから、たった1枚選ぶことは不可能なのは前提として。あえてアリシアかメアリーJ・ブライジかってことになって、結局フレッシュなアリシアかと。その理由は、これまでアーティステックな面だけで語られてたオールド・ソウル感を、きちんとビジネスに乗せてしまったことがその理由。ディアンジェロ、エリカ・バドゥ以降、自作自演で演るアーティストはニュー・ソウルなどの流れに置かれてたわけなんだけど、彼女は芸能的な部分(ヒップホップ・ソウルのフィールド)も踏まえながら、それをやってしまった。結局、セールスでも認められたわけだし。
──あとはルックス、彼女はベッピンさんだから。
それは大きい(笑)。
──今後さらに入り組んでいきそうなR&Bシーンなんだけど、新しい才能をいち早く発見できる手段ってあるのかな?
たとえば、サントラ盤ってかなり有効なのかもしれない。承知のとおり、ヘタなコンピよりクォリティーは高いし、アーティストにとってテストケース的な意味合いが強いものも多いからね。