耳で聴いたピープル・トゥリー(2)
MICHAEL BOLTON
『The One Thing』Sony/1993
ホール&オーツがそのソウルを〈モダン〉へと開花させていったとしたら、マイケル・ボルトンは〈アーバン〉な色気を漂わせて国民的シンガーとなった。ビル・ウィザース“Lean On Me”のカヴァーを収録したこの作品には、デヴィッド・フォスターもプロデュースで参加。摩天楼の輝きが、開いた胸の間からキラキラもじゃもじゃ。(ボブ)
WHAM!
『Make It Big』Epic/1984
〈ブルーアイド・ソウル〉〈デュオ〉という2要素をホール&オーツと共有しているのがワム!(誰ですか、こちらのほうが男前が一人多いって言ってるのは!)。とにかく、ソウルフルである前にポップであることを念頭に制作されたこの作品。結果生まれた〈モダン〉な感触に触れるたび、気分はウキウキ(ウェイク・ミー・アップ)!(ボブ)
PHIL COLLINS
『Hello, I Must Be Going!』 Wea/1982
いかにも英国人らしい、ソウル・ミュージックへの知的なリスペクトと分析。そこからうまれるサウンドには、まさに〈モダン〉な洗練がある。とはいえ、シュープリームス“You Can't Hurry Love”(恋はあせらず)のご陽気カヴァーでは、無邪気なまでのソウル賛歌を聴かせたりと、スミに置けない人。(ボブ)
STEVIE WONDER
『In Square Circle』Motown/1985
一般的にスティーヴィーの“Part-Time Lover”は、HDH風のノーザン・ビートをモダンにアップデイトした曲、ということになってますが……ホール&オーツの“Maneater”のパクリじゃないの! コラ、御大! なに? ヤツらも元はワシの音楽に影響を受けてるって? ……ちなみに“We Are The World”でも同室してましたな。(出嶌)
DE LA SOUL
『3 Feet High And Rising』Tommy Boy/1989
過去と現在を手貼りでコラージュした彼らへのアーバン・グルーヴへの貢献たるや。Pファンクからスティーリー・ダンまでの切れ端が軽快に積み重ねられるなか、ホール&オーツの“I Can't Go For That(No Can Do)”に乗って“Say No Go”は快調に走る。3人は2人のマジックが永続的なものであることを証明してみせた。(出嶌)
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