マイケル・ジャクソンの音楽に育まれた音楽の果実たち(2)
PAUL McCARTNEY 『Pipes Of Peace』 Capitol(1983)
大物アーティストの共演作って、ビミョーなものが多い。ジャクソンズとミック・ジャガー、ミック・ジャガーとデヴィッド・ボウイ、デヴィッド・ボウイとクイーン(あっ、これは○!)。で、ポールとマイケル――“The Girl Is Mine”は○、(本作収録の)“Say Say Say”は〈フッフッフッフッフーッ♪〉の◎! *久保田
田原俊彦 『BEST OF TOSHIHIKO TAHARA』 ポニーキャニオン
日本でも巻き起こった〈マイケル旋風〉に、いち早く回答したのがトシちゃん。クイック&シャープなダンスもさることながら〈ポーゥッ!〉の声まで。“It's BAD”という曲にムムッと反応してしまいますが、これはタイトルだけ。白眉は“ジャングルJungle”。90年リリース、忘れたころに届いた〈Who's Bad!〉。*久保田
LL COOL J 『B.A.D.』 Def Jam(1987)
あの髪の毛長いヤツが“Bad”とか言ってるけどさ、どっちがホントにイカしてるかわからせてやろうか?──てな会話があったかどうか知らんが、若きLLがこの年に閃かせた鋭い刃の名前は“I'm Bad”。8年後、マイケルの“The Lady In My Life”をネタに“Hey Lover”と甘く語る男と同一人物のハナシであります。*出嶌
STEVIE WONDER 『Characters』 Motown(1987)
70年代にジャクソン5をコーラスに従えた“You Haven't Done Nothing”もある御大。その後は時代を超えて愛され続ける“I Can't Help It”をマイケルに書いたり、“Just Good Friends”でデュエットしたり。そのお返しにマイケルが参加したのが“Get It”。センス・オブ・ワンダー(ベタ)な共演劇なり。*出嶌
"WEIRD AL" YANKOVIC 『Even Worse』 Volcano(1988)
日本でもとんねるずから某メンバーにまでパロディーにされまくったMJ。そんな人は世界中にいたはずながら、最高峰はこのアルさんでしょう。なんとMJオフィシャルですもの! “Eat It”とか“Fat”とか、呑んでて思いついたようなネタを全身全霊で表現する様がキレてます。最近は遊べるネタも少なそうですが。*出嶌
TERENCE TRENT D'ARBY 『According To The Hardway』 Epic(1987)
一般的にはプリンス・チルドレン? でも、かすれ気味のファルセット・ヴォイスに、しなやかな身のこなし、ノーザン風のビートで光るフィーリングはまぎれもなくマイケルのコドモでしょう。このデビュー盤ではマイケルも歌った“Who's Lovin' You”を披露して、ルーツを垣間見せてくれています。*出嶌
GEORGE MICHAEL 『Faith』 Epic(1987)
このアルバムだと、一般的にはプリンス・チルドレン?なのですが、なんとマイケル&マイケルは『Bad』のためにデュエット曲をレコーディングしていたといいます。ここでも“Father Figure”や“One More Try”などのバラッドを切々と歌う姿に正体見たり、です。アップ曲はプリンスだし、いいとこ取り? *出嶌