耳で聴いたピープル・トゥリー(2)
TODD RUNDGREN
『With A Twist...』Guardian/EMI/1997
自作代表曲を真剣な表情で大胆にボサノヴァ・リメイクした97年のアルバム。彼のメロディーを聴けば、コードの使い方などにボサの影響を探ることは難くなく、高度でありつつポップというマルコスの音楽性にシンパシーを抱いていても不思議じゃない。リオン・ウェアのカヴァー(“I Want You”ね)入り。(桑原)
AL KOOPER
『I Stand Alone』ソニー/1969
やたらとコスプレしたがる、気持ち悪いジャケットたち。こと音楽にかけては貪欲過ぎるマニエリスト&フェティシストぶり。奥ゆかしくも厚かましい、ソウル・ミュージックへの憧れと、堂々たる施行。ルーツにうるさいが、コラージュ、プログレ、前衛、どうしてもやってしまう。ナル。これってマルコス?(マランドロン)
FRANCOIS DE ROUBAIX
『Anthologie Vol.2 Play-Time』
長髪、髭を伸ばしたら見分けがつかない。天然に繊細な、やるせないメロディー。冒険的過ぎる音響が、切なさを加速させる。あらゆるヴァリエーションで飽きさせない。どうりでTVや映画の仕事が多く来る。ケミカルなのかナチュラルなのかわからなくなってる。泣ける。海を愛する。まるでマルコスのようだ。(マランドロン)
CAN
『Unlimited Edition』Mute/1976
マルコスといえば〈Mr.Joy〉らしいよね。元祖はもちろんポール・ブレイ。モテる男の出す音にはツヤがあるってことか。音にツヤがある音響絵巻といえばこれ。20世紀を封じ込めた宝石箱だ。なによりもメンバーの気のいい〈Mr.Joy〉ぶりが嬉しい。この増殖ジャケ、ゲルマンの血を引くマルコス、やりたそうだ。(マランドロン)
HYLDON
『Na Rua, Na Chuva, Na Fazenda... 』Universal/1975
バックがアジムスだが、グループのファーストや、セルジオ・サンパイオ、アナ・マゾッティの作品などで演奏していたこのころと、先日のモンドでサイケなパフォーマンスが同じ人たちだとは信じ難い。このイルドンの75年作は、サンバ・ソウルものとしては最高で、マルコスの『Previsao Do Tempo』並に完璧だ。(マランドロン)
- 前の記事: 耳で聴いたピープル・トゥリー
- 次の記事: 耳で聴いたピープル・トゥリー(3)