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特集

耳で聴いたピープル・トゥリー(2)

カテゴリ : ピープルツリー

掲載: 2001年11月15日 15:00

更新: 2003年04月02日 14:44

ソース: 『bounce』 223号(2001/7/25)

文/久保田 泰平、村尾 泰郎、萌木 里、ダイサク・ジョビン




JUDEE SILL
『Heart Food 』
ワーナー/1973
デビュー直後にヴァーヴから見捨てられたローラ。そんな彼女の才能を見抜き、拾い上げたのがデヴィッド・ゲフィンであり、彼が興したレーベル、アサイラムの第1弾アーティストにジュディがいた。ローラよりソウル味は薄いけれど、そのセンシティヴなフィーリング、才能はまさに〈西海岸のローラ〉。(村尾)


PJ HARVEY
『Rid Of Me』
Island/1993
吐き出しても吐き出しても尽きることのない情念。しかしそこにセンチメンタルな湿り気、恨み節はなく、よく切れるナイフのような言葉、サウンドだけがある。“Highway 61 Revisited”をカヴァーしたこのアルバム、ボブ・ディランというファクターを通してポーリーンとローラは視線を合わせる。(村尾)


NICK CAVE & THE BAD SEEDS
『No More Shall We Part 』
Mute/Virgin/2001
この新作で、さらに暗黒シンガー・ソングライターとしての存在に磨きをかけたニック・ケイヴは、ピアノを道連れにひとり旅。その旅の途中にこぼれ落ちた血みどろの独白に、ローラなら優しく耳を傾けたに違いない。お互い骨身にしみたる孤独、その哀しみと癒しをひたすら切々と歌い、ときに吠えた。(村尾)


FIONA APPLE
『When The Pawn...』
Clean Slate/2000
いまやアメリカを代表するシンガー・ソングライターとなったフィオナ・アップル。全身からこみあげてくる感情を、女性としてのソウルに託して歌う、その力強さ、それでいて柔らかな感触はローラと繋がるもの。その存在感において、陰と陽の違いはあるけれど、どちらもがミューズに愛された。(村尾)


THE FIFTH DIMENSION
『Greatest Hits On Earth』
Arista
ディオンヌ・ワーウィックならバート・バカラックってほどじゃないけど、フィフス・ディメンションならローラという、ブリル・ビルディングな関係にあったあのころ。“Stoned Soul Picnic”“Wedding Bell Blues”に潜んでいたポップス・マジックに最初に気付かせてくれたのは、ほかでもない彼ら。(萌木)

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