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ハンス・プフィッツナー (1869~1949) 生誕150年記念特集

カテゴリ : Classical

掲載: 2019年05月05日 00:00

プフィッツナー生誕150年特集

「最後の後期ロマン派」、「インスピレーションの作曲家」と呼ばれたドイツの作曲家、指揮者、ピアニストのハンス・プフィッツナー(1869年5月5日、モスクワ – 1949年5月22日、ザルツブルク)の特集です。

プフィッツナーはフランクフルト・ホッホ音楽院で作曲をイヴァン・クノールに、ピアノをジェームス・クヴァストに学び、1894年にマインツ市営劇場で無給の指揮者見習いとして音楽家生活をスタート。1897年にベルリンのシュテルン音楽院に教師として赴任し、1903年にはベルリン西部劇場の初代楽長に就任。1904年以降はストラスブールの音楽院、同市の劇場、ベルリン芸術アカデミー、ミュンヘン音楽院などの指揮者、作曲教授などを歴任。 シューマン、ワーグナーらのロマン派の伝統を基盤に、オペラ、管弦楽曲、室内楽曲、カンタータなどを作曲しました。

主要作品はオペラ《哀れなハインリヒ》 (1895) 、《パレストリーナ》 (1917) 、カンタータ《ドイツの精神》 (1921) ほか、100曲以上の歌曲。音楽美学について『著作集』(3巻、1926~29) があるなど、評論家としても活動しました。

1934年(65歳)ミュンヘン音楽院を退職して年金生活に入りましたが、ナチス政権とはつかず離れずで、年金を打ち切られたり、生誕祭を許されたりと、終始微妙な関係にありました。戦後はナチス協力容疑をかけられ、生活が困窮しましたが無罪となり、晩年はウィーン・フィルからの援助を受けていたと言われています。1949年、旅行先のザルツブルクで脳卒中のため亡くなりました。80歳でした。

ここではプフィッツナーの代表的なCD、映像作品をご紹介いたします。

※ 参考文献 「ドイツ音楽の一断面」 道下京子、高橋明子共著 芸術現代社
(タワーレコード)

交響曲/管弦楽曲


【参考音源】《ハイルブロンのケートヒェン》序曲
カール・シューリヒト指揮シュトゥットガルト放送交響楽団

最初に挙げたティーレマンの盤には、プフィッツナーの最も美しい管弦楽作品が集められており、真っ先にお勧めできるものです。シュワルツ指揮のナクソス盤に含まれた交響曲ハ長調(1940年)もプフィッツナーの代表作の一つ。輝かしいファンファーレあり、もの悲しい緩徐楽章あり、フィナーレでの主題回帰あり、演奏時間約17分の分かりやすい作品です。シューリヒトの盤には《ハイルブロンのケートヒェン》序曲が1曲入っているだけですが、これが上掲したように素晴らしい快演です。最後の1枚はプフィッツナーと同時代を生きた巨匠フルトヴェングラーが、彼の死を悼んで演奏した歴史的ライヴ録音です。

 

協奏曲


【参考音源】ヴァイオリン協奏曲 ロ短調 Op.34
ゲルハルト・タシュナー(ヴァイオリン)
ルドルフ・ケンペ指揮ベルリンRIAS交響楽団

プフィッツナーの協奏曲は何れも当時のドイツの名ソリストのために書かれた聴きごたえ十分の作品です。ピアノ協奏曲は1923年にヴァルター・ギーゼキングが初演、ヴァイオリン協奏曲は1924年にアルマ・ムーディーが初演、チェロ協奏曲(作品52)は1944年にルートヴィヒ・ヘルシャーが初演しています。

 

室内楽曲


【参考音源】ヴァイオリン・ソナタ ホ短調 Op.27~第1楽章
ベンヤミン・シュミット(ヴァイオリン)
クラウディウス・タンスキー(ピアノ)

プフィッツナーの室内楽曲は何れもメロディが美しく、ロマンティックな雰囲気に満ち、ファンタジーに溢れた名作揃いです。それぞれの楽器の特性を良く生かした曲作りがなされているので、名手が弾くとその良さが際立ちます。キュッヒルによるヴァイオリン・ソナタの新録音など、その意味で強くおすすめできます。

 

オペラ《パレストリーナ》全曲


【参考映像】歌劇《パレストリーナ》より
シモーネ・ヤング指揮
バイエルン国立歌劇場2009年公演のトレーラー

1917年にミュンヘン摂政宮劇場においてブルーノ・ワルターの指揮により初演され大成功を収めたオペラです。この成功によりプフィッツナーは作曲家としての名声が確固としたものになりました。

 

他のオペラ


【参考音源】歌劇《愛の園のばら》より葬送行進曲
ハンス・プフィッツナー指揮ベルリン国立歌劇場管弦楽団

何れもプフィッツナーが《パレストリーナ》で成功を収める前の作品ですが、既に作曲家としての個性は確立していて、同時代の評価を待つだけの状態だったことが判ります。

 

歌曲集


【参考音源】だから春の空はそんなに青いの? Op.2-2
クリスティアーネ・カルク (ソプラノ)
ブルクハルト・ケーリング (ピアノ)

プフィッツナーは生涯のほぼ全般に渡り、その時々の心象風景を映した愛らしい歌を作曲しました。彼の現存する最も初期の歌は1884年から1887年頃の「若き日の6つの歌曲」とされています。ナクソスが現在「歌曲全集」を録音中で、2019年5月23日には第3集が発売されます。

 

管弦楽付きの声楽曲


【参考音源】カンタータ《ドイツの精神》より第2部冒頭部分
ヨーゼフ・カイルベルト指揮バイエルン放送交響楽団、同合唱団

プフィッツナーの管弦楽付きの歌曲は、美しいメロディを色彩豊かなオーケストラが彩るもので、聴きごたえのあるものが揃っています。《ドイツの精神》はアイヒェンドルフの詩による壮大なるカンタータです。崇高なるドイツの精神を表すために書かれたと言われますが、音楽には全く政治的イデオロギーは反映されておらず「ロマンティックなカンタータ」という副題がついています。

 

指揮者プフィッツナー


【参考音源】シューマン:交響曲第2番より第3楽章
ハンス・プフィッツナー指揮ベルリン国立歌劇場管弦楽団

プフィッツナーは指揮者としても当代一流の存在で、ベルリン・フィルやウィーン・フィル、ベルリン国立歌劇場などを指揮して戦前、ベートーヴェンやシューマンの交響曲、そして自作などを録音しました。以前かなりあった復刻盤がほとんど廃盤となっているのが残念です。