ゼロ年代音楽シーンへ多大なる影響を与えたUKベース・カルチャーを牽引し、ジェイムス・ブレイクを筆頭に数々のフォロワーを生み出してきた重鎮マーラが、名盤『マーラ・イン・キューバ』に続く待望のオリジナル・アルバムをリリース!『ミラーズ』と冠された本作はキューバに続いて、ペルーの伝統的文化や音楽を深く追求し、自身のベース・ミュージックとの究極の邂逅を果たした作品。ペルーの音楽に没頭するため、現地を繰り返し訪れたことによって生まれた本作は、地元のアフロ・ペルー系パーカッショニストや、民衆舞踊のタップ・ダンサー、アンデスの歌姫らを14曲の中に巧く組み入れながら、テンポとフローを軸に展開。クンビアのルーツでもある1940年代のアンデス民謡のカバー「Cunumicita」、ペルーの民衆舞踊サパテオの達人の足音が巨大なダンスホールで舞う「Sabateo」、『聖なる谷』を流れる川のフィールド・レコーディングとソプラノの歌姫であり人類学者でもあるシルヴィア・ファルコンの歌声をフィーチャーした「Sound of the River」をはじめ、プリミティヴかつラディカルなダンス・ミュージックはマーラにしか創り得ない賜物だろう。キャリアの集大成とも言える本編の終曲「4 Element」は嵐のようなドラムスの喧騒が、一時停止や静寂と完璧なバランスを保つ怒涛のブレイクビーツ・ラッシュで、それはまるで1995年のある暑い日曜日、熱く盛り上がっているゴールディーのクラブ<Metalheadz>で、ドック・スコットのレコード・バッグからこぼれ落ちたダブのようにも聴こえる逸曲!
発売・販売元 提供資料(2016/06/29)
デジタル・ミスティックスの片割れマーラが、キューバに続いて今度はペルーにインスパイアされ、ふたたびドエラい逸品を発表。ダブステップの源流に、最深の電気仕掛けと古から伝わる民族楽器の響きを織り込み、濃度抜群に仕上げながらも随所にスカスカした余白使いも絶妙な、めくるめく音響呪術の世界を展開! 全編で南米ペルーの神秘性を巧みにキャッチしており、こりゃあペヨーテなしでも幻視できちゃいそうな予感……。
bounce (C)佐藤大作
タワーレコード(vol.392(2016年6月25日発行号)掲載)