音質は透明度が高く、F特、Dレンジ、解像度、全てにわたって優秀だ。セヴェランスホールの美しい残響とあいまって、最新録音に勝るとも劣らないリマスターとなっている。オケは造形の深さ、美しさという点で独欧系のオーケストラに決して引けを取るものではない。異郷の地で短期間にここまで仕上げたトレーナーとしての腕は相当なものだ。すべてのフレーズが一切の力みなく洗練され伝統美と格式と力強さを感じる。

数種類の全集を持っていますが演奏、録音ともに気に入って何度も聴いてしまいます。古楽奏法は疲れるしロマン主義はぬるいしちょうど心地良い音楽の流れ、録音も低音がしっかりかつ高分解、高域もきつさなく中音域の色あい表現も見事。序曲集もあわせ大満足です。

セル・クリーヴランドの創り出す音楽は大袈裟ではなく「至上の音楽」だと思います。心に響く弦の響き，木管のふくよかな温かみのある音，時には激しくときには包み込むような金管，そしてそれらがセルによって一つの音楽にまとまる。ベートーヴェンが意図した芸術が見事に作り出されていると思います。それが聴き手に伝わるのは，やはりＳＡＣＤだからこそ成しえたと思えます。

過去の名盤を次々とSACD化してくれるタワーレコードさんには感謝します。クリシュタンス&BPOも良かったし、この盤もしかり。次は、ケンペ&ミュンヘンもよろしくお願いします。全盛期は知りませんが、古き良き時代の演奏は素晴らしい

端正でち密な中に現代的な機能美と秘めたる情熱が感じられる名演です。若い頃LPで聞いた時、すぐに熱中しました。亡くなったのは1970年。録音もステレオ初期のものなど今となっては古い。それが高解像度で甦っています。ライナーノートもお世辞抜きの充実ぶり。最近、輸入物の廉価BOXセットが人気ですが、お金を払う価値のある商品とはまさにこれを言うといったすばらしさです。

タワレコクラシックのスタッフさん、ありがとう。本当に良い商品です。クリップス・コンセルトヘボウのモーツァルト集や、ズスケ・オルベルツのこれまたモーツァルトソナタ集とかもSACD化してくれればと密かに期待しています。

従来のＣＤから、各楽器の質感、特に低域の充実、ハーモニー等大きく改善されています。元のマルチトラックテープから新マスターを作成した苦労が実っています。何よりも物凄い技術、知識に裏打ちされた人間の強烈な意志を体感できます。ＳＡＣＤ層では更にトランペットの柔らかさも良く判別できます。同じレベルでセルのモーツァルト、ブラームス、ドボルザーク、シューマン、ブルックナー等早期のリリースを切望します。

３トラックの原テープに遡って新たにマスターを作成したことで、近年の7２４ビットリマスターでも不満のあった２番や９番が劇的に改善された。（従前のマスターに問題があったということだ。）

他の曲も鮮度と厚みが加わり、録音年代を考えればこれ以上は望めない。音質改善の最終稿というべき全集だ。

ギレリスとのベートーヴェン、ピアノ協奏曲を伴奏していた同じオケとは思えない音の切れの良さ、分離の良さにびっくりしています。協奏曲録音ももともとは当時のコロンビアレコードが担当していました。再度、この交響曲作成のメンバーで再発売してほしいくらいです。

凄い！！素晴らしい！ＬＰ，ＣＤと発売されたセルのベートーヴェンで最良の音質だろう。これまでクセのある音質に演奏の本質を見失いがちだったが，そのストレスはこのＳＡＣＤにはない。このＳＡＣＤではセルがどこで何を行っているか手に取るようにわかる。セルの解釈は率直だが極めて攻撃的。火花の飛び散る白熱ぶりを究極の音質で，ステージかぶりつきで味わえる。ブックレットも驚異の充実ぶり。タワレコさんやったねｗｗ。