カセットテープDJで辺境グルーヴを紡ぎ、世界中の好事家から熱い視線を集めるオーサム・テープス・フロム・アフリカことブライアン・シンコヴィッツが、2009年に発表されたハイブリッド・ハウスの秘宝をめでたく発掘。インターネットの爆発的普及に伴うファイヴやサーズなどの台頭でUKに新たなアフロ・ムーヴメントを巻き起こすガーナ産だけあって、808グルーヴのフレッシュネスはシカゴ・ゲットー～ジューク、シャンガーン・エレクトロ耳にも余裕で対応。チャントと変態電子音で4/4を異空間にネジ込む表題曲や"Cocoawra"は笑っちゃうくらいカッコEし、80年代のモデル500を必死に再現しようとした結果、スッカスカでミニマルなストリート・テクノへ着地してしまったような"Lalokat"は狙って作れないヤバさ! インナー・シティやC&Cミュージック・ファクトリーに当てられ、39歳で楽曲制作を開始したというオールド・ルーキーの20年のキャリアが、昨今のハウス再興をも見事に彩る痛快盤でございます。
bounce (C)ヌーディーマン