2015年にデビュー35周年を迎えた佐野元春が、ザ・コヨーテバンド名義でリリースする通算3作目のオリジナル・スタジオ・アルバム。1970年代、1980年代、ファンク、ディスコ、アフロ、フォーク、R&B、サイケデリックなど、ジャンルをまたいだサウンドで、全編を通じてエッジの効いたダンサブルなロックを聴かせてくれる。読売新聞社の企業CM曲「境界線」他を収録。 (C)RS
JMD(2015/07/29)
2015年、デビュー35周年を迎えた佐野元春。80年代から今日まで、メッセージ性の高い歌詞で独自の歌世界を構築、一つの地点に安住することなく、ロックンロール、ヒップホップ、スポークン・ワードをはじめ様々な音楽スタイルを積極的に取り入れながら時代を疾走するシンガーだ。今作『BLOOD MOON』は、『COYOTE』(2007年)、『ZOOEY』(2013年) に次ぐザ・コヨーテバンド名義による3作目となるオリジナル・スタジオ盤。70's、80's、ファンク、ディスコ、アフロ、フォーク、R&B、サイケデリックなど、ジャンルをまたいだサウンドを展開。全編を通じて、エッジの効いた純度の高いダンサブルなロック・サウンドとなっている。リリックの面では、バンドの強靭なグルーヴをともなって、どの曲からもメッセージ性の高い歌詞が強烈に刺さってくる。『COYOTE』、『ZOOEY』で示したソングライター佐野元春の新たな文脈が、この新作でより鮮明に浮かびあがっている。
ユニバーサル
発売・販売元 提供資料(2015/05/11)
結成より10年を迎えたTHE COYOTE BANDとの、3枚目となるフル・アルバム。オルガンやピアノを交えたバンドの演奏はさらに熟達し、風通しの良いミッド・グルーヴが、じわじわと熱を帯びて昂揚をもたらす。本作は、これまでの彼の作品のカラーとして通底する〈時代性〉の発露がとりわけ明白で、タイトルも意味深長な"誰かの神"をはじめ、寓意と示唆に富んだ言葉が社会の混迷や変質を射抜き、聴き手の心にそっと希望の火を灯してくれる。アメリカーナな"本当の彼女"や、ファンキーなベースが反復するポスト・パンク調の"私の太陽"など、随所に豊かな音楽的バックグラウンドが滲み出ているのも彼らしい。デビュー35周年にして、また新たな創造性のピークを迎えているようだ。
bounce (C)鬼頭隆生
タワーレコード(vol.381(2015年7月25日発行号)掲載)