マゼール若き日の才気迸るモーツァルト!38&39番は世界初CD化。

1964年、弱冠34歳のロリン・マゼール(1930～)はベルリン放送交響楽団(現ベルリン・ドイツ交響楽団)の首席指揮者に就任。1965年にはベルリン・ドイツ・オペラの音楽監督に就任し、“帝王”カラヤン(1908～1989)率いるベルリン・フィルハーモニーと同じ西ベルリンで鍔競り合いを演じました。当地では戦前にベルリン国立歌劇場のカラヤンと、ベルリン・フィルのフルトヴェングラーが激しく競い合ったこともあり、西ベルリンの好楽家たちはマゼールVSカラヤンを戦前の彼らに二重写しにしていたようです。このモーツァルトの後期交響曲集はそのような中、1966年に一気に録音されました。第38番《プラハ》と第39番変ホ長調はこれが世界初CD化となる貴重な音源です。第40番ト短調でのほの暗い色彩の表出、大胆なまでの強烈な表情づけ、第41番《ジュピター》での気宇壮大な造形、激しい緩急の対照と個性的なアクセントなど、若き日のマゼールの才気と情熱が迸る刺戟的なモーツァルト演奏です。音質的にも新たにハイビット・ハイサンプリング(24bit、192kHz)音源をCDマスターに使用しましたので、瑞々しいまでの音色を聴くことができます。

タワーレコード （2014/05/08）