エレクトロニカ系アーティストの新世代を代表するSerphことTakumaと、その新作にも参加したヴォーカリストのNozomiによる2人組の初作。電子音の繊細な粒子が散りばめられたファンタスティックなトラック上で、ウィスパー・ヴォイスがセンティメンタルなメロディーをなぞる、というスタイルが基本だが、終盤になるとエディットしまくったり展開が激変したりと実験性が強まり、特にそのエグさの際立つトラックと美しく儚い歌声がスリリングにせめぎ合う“chooseone”は圧巻だ。ポップでプログレッシヴなエレクトロニック・ミュージックという点ではSerphと共通しつつ、似て非なる。浮世離れした声と言葉を得たことでユニットとしての化学反応をしっかりと起こし、新たな世界に踏み出した傑作。
bounce (C)小山守

Yukiや後藤まりこのリミックス等、今やメジャーからのラヴコールも多いSerphがここに来て新プロジェクトをフィジカルでリリース! 何とヴォーカリストのNozomiをフィーチャーした全編歌モノで綴られるユニットがこのN-qiaだ!Serphがこれまで見せてきたイマジナティヴな桃源郷を描く音像はそのままに、ヴォーカルと詞を新たにその世界に迎える事で物語が付された様に、より映像を喚起させるものとして聴こえ、Serphとはまた違った形の唯一無二のポップミュージックを創り上げている。
intoxicate (C)池田敏弘