今年2月23日。東京・九段会館でのライヴを全国11会場に衛星生中継するという形で行われた椎名林檎の2年ぶりの単独公演。抽選によって選ばれたオーディエンスだけが観られた幸運を、独り占めさせるわけにはいきません。というわけでデビュー5周年記念としてその貴重なリサイタルの模様がDVD化!　いきなりラーメンズの小林賢太郎が登場して会場を沸かせたあと、客席後方からクラシカルな音色を奏でながらヴァイオリニストがゆっくりと歩いて登場し、ドレスを纏った林檎嬢の待つステージへ。23人編成のストリングスとピアノ、ベース、ドラムスが林檎ナンバーをゴージャスに奏ではじめたら、そこはもう目眩のするような大正ロマンの世界。最新アルバムから披露された楽曲も素晴らしいけど、あの“歌舞伎町の女王”がオーケストラ・アレンジで歌われたときの得もいわれぬ情感たるや!　切迫感、深み共に増した林檎の歌唱表現はハッキリと成長を示しているぞ。一瞬ビョークや美輪明宏などを幻視させながらアッという間に過ぎる約1時間のリサイタルは、やはり椎名林檎の卓越した表現力を証明しまくり。ほかにも新曲やデビュー当時のレアな弾き語り映像などを収録し、ファンならずとも必携のメモリアルDVDだ!!
bounce (C)内田 暁男