たっぷりとした美音というのではなく、もっと繊細で、かつ、ねっとりと絡みつく音。強く駆け抜けていくのではなく、心の隙間を見つけて吹き抜けていくような風の音。そんなイメージを喚起させるヤヌシュ・ヴァヴロウスキのヴァイオリンは、聴き手を深く神秘的な音の森へと誘います。彼は以前、ポーランドのCD ACCORDから目も覚めるようなパガニーニの「24のカプリース」をリリースしていた若手ヴァイオリニストです。1982年、ポーランドのコニン生まれ。6歳からヴァイオリンを始め、ワルシャワ音楽院を優秀な成績で卒業。数多くの国際コンクールの入賞歴を持ち、世界中のオーケストラとも共演しています。最近ではザコパネ国際室内楽音楽祭「ハイツミュージック」の芸術監督を務め、またワルシャワのショパン音楽大学の講師も務めています。このアルバムで彼が選んだのは、シマノフスキの「神話」、ラヴェルのヴァイオリン・ソナタ(第2番)と、イザイの第5番の無伴奏ヴァイオリン・ソナタ、そしてルトスワフスキの「スビト」の4曲です。アルバムタイトルの“オーロラ”は、イザイのヴァイオリン・ソナタ第5番の第1楽章に由来するものではありますが、収録された全ての曲のどれにも神秘的なオーラが漂い、確かな技巧に裏打ちされた美しく儚い音の粒は、積極的なエネルギーを持って空気中へと放たれていきます。
ワーナーミュージック・ジャパン

発売・販売元 提供資料 （2014/04/08）