弦の魔術師にして音楽の旅人ライ・クーダー、チーフタンズとの共演作を挟みつつソロ名義としては3年ぶりの新作。フラーコ・ヒメネスも参加したテックス・メックス色濃い内容ですが、現在のアメリカの社会状況に対する怒りを露わにしながら時にはジョン・リー・フッカー風に吠えてます! アートワークも自身で手掛けたブックレットも必見。かなりストイックな作品ですが、ふと見せる柔らかく大らかな表情にぐっとくる。旅人の現在地を伝える傑作!
intoxicate (C)梶丸基史

架空の物語に沿って展開された〈カリフォルニア3部作〉以来となるこのニュー・アルバムは、金融危機や中東問題などを取り上げた社会派な歌詞が目立ちます。が、だからといってかしこまらずに! ハワイアンやレゲエ曲に身体を揺らし、USルーツ音楽の歴史を辿った十八番の泥臭い曲にしっぽり浸ればそれでOKなのです。近年の精力的なライヴ活動を反映させたような、アッパーなロック・ナンバーも最高の仕上がりですよ。
bounce (C)赤瀧洋二