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ロックシーンだけではなく、クラブシーンに於いても支持を受けるゆらゆら帝国の前作から約2年半振りのアルバム。シングル表題曲「美しい」、c/w「なんとなく夢を」の別ヴァージョン含む被り曲ナシの10曲。ジャケットはアートワークに於いても高い評価を得ているVo&G坂本慎太郎自身が手がける。
2009年04月08日
(タワーレコード)
2年半ぶりのアルバムにしてこのタイトル、流石である。昨年の傑作シングル“つぎの夜へ”で現出させた緩やかな煌めきのサイケデリアをさらに深化させたような本作は、溢れ出るメロウネスもメランコリーもただただ虚空に漂わせてとりとめもなく美しい。たとえばアヤシイ森の中の通学路を歌った“学校へ行ってきます”は、間違いなく学校へ辿り着けないであろう不安と愉悦が捩れてポッカリと宙に浮かぶ。ゆらゆらと定刻が霧散して時間軸も空間軸も惑わせるこの奇妙な浮遊感は、クラウト・ロックの金字塔であるカンの『Future Days』の幻惑にも比肩する。ここに描かれたのは〈空洞〉という残酷なほど美しい匣の中の失楽と悦楽。いやはや、とんでもないところへ到達したもんだ。
北爪 啓之 -
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2007年10月号掲載 (P92)
(タワーレコード)
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