田園、運命ともに明るくゆったりとした演奏でイタリアのオーケストラという先入観で歌っているようでこれは指揮者に慣れていないためテンポが遅くなったとも考えられる。良く言えば演奏が緩やかでゆとりがあり素朴な感じ。悪く言えば演奏が下手と意見が分かれるかも。
英雄は前2曲と基本は同じですが、最初は淡泊で良く言えば軽快、時間が経つに従い落ち着いた演奏に悪く言えばテンションが低め。この指揮者の他の演奏と比べ魅力が少なく物足りない感じだが、止まってしまいそうなテンポで丁寧な演奏は面白く聴けた。
このDisc は、2017年末にリリースされたCD全集の米オリンピック・レコーズから発売されたLPのマスター音源からのSACD化でなく、旧譜CDと同じ原盤(おそらく伊放送音源)からの復刻で元々の音源は違うようだ。
音源は違いますがCD全集と比較すると若干ですが、高音の鋭い硬さが柔らかくなり低音と重みが増し、全体的に音は聴きやすくなった感じで、一般にこの3曲は良好な音質と言われているのが判る気がします。しかし、個々の環境によっては音の印象は大きく変わるかと思います。
なお、本Discのフォーマットが面白い。SACD層はDisc1に田園+運命,Disc2に英雄が収録されているが、CD層はDisc1に田園+運命(第1~2楽章),Disc2運命(第3~4楽章)+英雄で、SACDの収録可能時間が活かされている。某大手の糞レーベルのようないい加減な製作と大違い!さらに傷・汚れは当たり前だが皆無。