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Calm

連載
NEW OPUSコラム
公開
2011/07/18   21:48
更新
2011/07/18   21:49
ソース
bounce 331号 (2011年4月25日発行)
テキスト
文/岡村詩野

 

ベスト盤&ライヴ盤で彼の魅力を実感!

 

ポスト・ロックなんて言葉がまだ一般的ではなかった頃にシーンへ現れ、細分化されていくクラブ・ミュージックを静かに濾過しながらスタンスを確立していったCalm。登場から約15年が経過したいまも後進の追随を許さないが、それでも人懐っこささえ感じさせるようなメロディーが顔を出したり、時には滑らかでアーバンなAOR風味を醸し出したり……と、作品そのものは常に心地良く聴きやすい。

今回同時にリリースされた初のベスト・アルバム『Mellowdies for Memories...Essential Songs of Calm』と、昨年10月のステージを収めたライヴ盤『Music is Ours』を聴くと、そんな圧倒的な存在感を思い知る。コンピ参加曲や未発表曲も含むベストからはアンビエントからジャズまでを取り込んだ柔軟な音楽指向を痛感させられるし、本人+ベース+キーボード+サックスという4人編成(Moonage Electric Quartet)によるライヴ盤からは案外フィジカルな演奏の強度が伝わってくる、という具合。音楽性の裾野は広く、それらの楽曲は耳にはスムースに滑り込んでくる。こんなアーティスト、他にいないではないか。

▼文中に登場した作品

左から、Calmのベスト盤『Mellowdies for Memories...Essential Songs of Calm』(ラストラム)、Calmのライヴ盤『Music is Ours』(MUSIC CONCEPTION)