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ICE DYNASTY

連載
NEW OPUSコラム
公開
2011/07/12   21:59
更新
2011/07/12   21:59
ソース
bounce 333号 (2011年6月25日発行)
テキスト
文/一ノ木裕之

 

新進気鋭のプロデュース・チームと組んで新たな道を示す新作が2枚同時に登場!

 

2010年初頭に2作目『C.O.L.D.』を発表した後は、フリー・ダウンロード音源や、ハイチのチャリティー曲“VOICE”をはじめとする(クルー内グループのLIGHT HILLも含めた)配信リリースなど、CDに止まらない、現在に即した動きを進めてきたICE DYNASTY。このたび彼らが各12曲を収めた2枚のCDアルバムを同時リリースした。

それぞれ『半』『丁』と題された作品に収められた楽曲は、すべて気鋭のプロデュース・チームであるY.G.S.Pを迎えて制作されたもの。昨年末から発表してきたフリー音源(今回数多く収録)でも手を組んだY.G.S.Pは、こちらもシーンで期待が高まっているham-Rとのコンビでリリースした“Future Vintage”などでも注目を集めている。日本語ラップ的な背景を感じさせない彼らの刺激的なビートは、ICE DYNA-STY像を一気に更新し、新たな波を感じさせるに十分。『半』の冒頭曲“Ice Fac-tory”から、そのコラボレーションはスリリングに実を結んでいる。鬱蒼としたビートに彩られ、広がる格差をG.O.とRAW-Tがラップで点描する“大貧民”(『丁』収録)は、さながら東京ならぬ劇画的な〈トーキョー〉を映すかの如き。そこにも見られるイマジネーション豊かなサウンドは、ラップが描く〈リアル〉の一歩先を行くSF的な造形で、双方の作品の世界を響かせている。

▼ICE DYNASTYのニュー・アルバムを紹介

左から、『半』『丁』(共にSUBDELTA)