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QUEENS OF THE STONE AGE

連載
360°
公開
2011/02/21   17:57
更新
2011/02/21   17:58
ソース
bounce 328号 (2010年12月25日発行)
テキスト
文/山口コージー

 

クイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジの音世界は煙のように拡散し……

 

60年代末期の英国でブラック・サバスが作り出したドゥーム・メタルに心酔し、それを90年代に甦らせんとカリフォルニア州はパームデザートで立ち上がった4人組、カイアス。ドゥームにザラつき感を加え、さらにテンポを落とすことで重さを強調したそのサウンドは〈ストーナー・ロック〉と名付けられ、すぐに多くのフォロワーを誕生させることとなった(ちなみにストーナーとはマリファナ愛好者を指す言葉で、カイアスのメンバーも当時「大麻を吸った時の感覚を音で表現している」と発言)。その伝説的なバンドでギターを担当していたジョシュ・オム(ヴォーカル/ギター)が、解散後の97年に結成したのが本頁の主役であるクイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジ(以下QOTSA)だ。

QOTSAの魅力とは何か? それは、メロディーを際立たせることでカイアス期よりもキャッチーな印象を与えつつ、難解なベースラインやリズムワークによって徐々に聴き手から理性を奪っていくような、妙な中毒性だ。それはジョシュにしか創造し得ぬ奇想天外な音世界。そのQOTSAサウンドの原点であり、長らく入手困難だった98年の初作『Queens Of The Stone Age』のリマスター盤がリリースされる運びとなった。発表当時は決してヒットしたとは言えないが、アンダーグラウンドを中心にじわじわと評判を集め、やがてメジャー・レーベル間で争奪戦が繰り広げられることに。その後、インタースコープと契約し、2000年作『Rated R』を挿んで2002年の『Songs For The Deaf』にてブレイク。以降、マイペースに作品を発表しながら着実に信者を増やしているのだ。

もちろん、その信者のなかには同業者も多数含まれている。そこで、『Queens Of The Stone Age』のリイシューを記念して、QOTSAが音楽シーンに与えた影響力の大きさを確認しようじゃないか!

 

▼クイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジのアルバムを紹介。

左から、2000年作『Rated R』、2002年作『Songs For The Deaf』、2005年作『Lullabies To Paralyze』、2007年作『Era Vulgaris』(すべてInterscope)